井上尚弥 ボクシングの本場“米来襲”で注目の的 5・5ベガスでのV4戦へ「判定決着望んでいない」
2025年4月25日(金)5時0分 スポーツニッポン
◇世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ 統一王者・井上尚弥《12回戦》 WBA1位ラモン・カルデナス(2025年5月4日 米ネバダ州ラスベガス T-モバイル・アリーナ)
世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が23日、4団体4度目の防衛戦を行う米ネバダ州ラスベガス入りした。米ロサンゼルスで行った公開練習には70人の報道陣が駆けつける異例の注目ぶり。練習後には、共同プロモート契約を結ぶ米興行大手トップランク社が用意したプライベートジェットで決戦の地へ移動した。21年6月以来4年ぶりに米国での戦いに臨むモンスターに、早くも熱視線が注がれた。
モンスターが再び米国の地に降り立った。井上はロサンゼルス市内のジムで行われた公開練習に、白のキャップにグレーのジャージー姿で登場。多くの報道陣に囲まれながら、軽めのシャドーボクシングとミット打ち、サンドバッグ打ちを1ラウンドずつ披露した。到着後、空港からジムに直行する強行スケジュールとなったが「(米国に)着いてみて意外と疲れも抜けて、気分的にも良くここまでこられている」と涼しい顔。4団体4度目の防衛へ「判定決着は望んでいない。盛り上がる試合をしたい」と意欲を示した。
同じく練習を公開した挑戦者カルデナスとも初対面し、早くもにらみ合って、リングで見せる殺気も一瞬放った。「ボクシング自体は凄くまとまった選手なので、自分としてはやりやすいかな。一発には気をつけたい。そこだけ」。最後は笑顔で健闘を誓い合ったが、油断は一切ない。
全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」は現在2位。カルデナス戦をクリアすれば、強敵との連戦が続き「9月、12月、そして来年の4月。この3つをクリアすれば1位に返り咲けると思う」と24年5月以来の奪冠を見据える。来春にはWBC世界バンタム級王者・中谷との日本人対決が控えており、現地記者から「なぜ中谷に対戦を呼びかけたのか?」と問われると「見たいですか?」と逆質問。記者が「イエス」と答えると「だからです」と笑った。2人の頂上決戦には世界が注目している。
米国での試合は4戦目。同日は毎年ビッグマッチが行われているメキシコの祝日「シンコ・デ・マヨ(5月5日)」の週末で、スターが続々と参戦する3日連続興行の最終日となる。前回の21年にもメインイベンターを務めたが、重量級が人気の本場で軽量級の日本選手が大トリを飾るのは異例。「重量級の選手に負けないような迫力ある試合をしたい」と誓った。
公開練習後はプロモート会社トップランクが用意したプライベートジェットでラスベガスへ移動。ホテルのジムでも汗を流し、決戦に向けた準備に余念はない。