元WBO世界1位 マーク・ビセレスが現役復帰「頭脳的なボクシングを」 日本でトレーナー…5月18日、ゴング
2025年4月25日(金)6時30分 スポーツ報知
5月にリングに上がるマーク・ビセレス
駿河男児ボクシングジムは5月18日、地元・静岡県富士市の「ふじさんめっせ」で大会を開催する。計7試合が予定されているが、注目は第3試合のフライ級8回戦だ。世界ランカー(IBF世界フライ級13位)のマーク・ビセレス(29、駿河男児)がリー・シャン(中国)と対戦する。
ビセレスはフィリピンの元ライトフライ級王者。8歳で競技を始めて20歳(16年)でデビューし、最高位はWBO世界1位。戦績は21戦19勝(11KO)1敗1分けで、23年2月にIBF世界ライトフライ級王座の挑戦者決定戦で敗れたのが、唯一の黒星だ。
24年6月を最後に試合のチャンスがなく悩んでいたときに、駿河男児ジムがトレーナーを募集するフェイスブックを見つけて、12月に来日した。「富士はいい町。富士山もよく見える。とてもビューティフル」と気に入った。
フィリピン在住の世界ランカーからの、まさかの申し込み。前島正晃会長(46)は「最初は半信半疑でした」と振り返る。連絡を取り合い、本物だと確信を得て、就労ビザの取得に動いた。来日後の勤務態度はまじめで、トレーナーとしても優秀だった。フィリピン人の親をもつ練習生にはタガログ語で的確に指導。「みんな、すごくうまくなりました」と会長はうなずいた。
トレーナーとして働く一方で、自身の練習も欠かさない。「体幹が強い」と身体能力の高さを再確認した会長が1月に現役復帰を打診したところ、ビセレスも快諾。「国際的な舞台で戦いたかった」という。コンディションも「グッドです」と笑った。
リングに上がるのは約1年ぶりだが、不安はない。「とても楽しみ。頭脳的なボクシングを観客に見せたい」と意気込んだ。サウスポーのハードパンチャーが新たなステージで輝きを見せそうだ。
(里見 祐司)