ロッテ・寺地 プロ1号&2号!榎本喜八以来69年ぶり高卒2年目1試合2発
2025年4月19日(土)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ロッテ4—1楽天(2025年4月18日 楽天モバイル)
「9番・捕手」で今季3試合目の先発マスクをかぶったロッテの高卒2年目・寺地が、プロ1号を含む2本塁打で、チームを2連勝に導いた。敵地・仙台でのヒーローインタビュー。19歳は「ちょっと緊張しましたけど、良かったです」と初々しく笑った。
1本目は0—0の3回。早川の145キロの直球を低いライナーで右翼席へ運んだ。「真っすぐを狙って、うまく反応して打つことができた」。2本目は1—0の6回、藤平のフォークを右手一本で拾い上げて再び右翼席へ2号を運んだ。球団の高卒2年目までの1試合2本塁打は56年の榎本喜八(当時毎日)以来69年ぶり。日本一にもなった剣道の達人である父から小学校時代に教えを受け、野球のスイングでも「縦振りを意識している」という力強いスイングでの快挙だった。10代捕手の1試合2本塁打も06年の炭谷(西武)以来、史上4人目だった。
明徳義塾から23年ドラフト5位で入団し、2年目。正捕手・佐藤が右足の親指骨折で離脱する中、「打てる捕手」としてアピールし、初の開幕1軍をつかんだ。転機は昨オフ参加したオーストラリア・ウインターリーグ。19試合に出場し打率・302をマークするなど、外国人投手相手に速球への対応力を磨いた。プロ1号は、ファウルとなった2球目の直球にややタイミングが遅れたが、3球目は「ちょっとポイント前めにして」と仕留めた。
今後も定位置獲得へ厳しい競争が待っている。それでも寺地は「やっぱり負けないように。1軍の舞台で試合に出ることをずっと目標にしてやっていきたい」と果敢に挑戦するだけだ。(大内 辰祐)
≪ロッテでプロ1、2号を同じ試合で記録したのは5人目≫高卒2年目の寺地(ロ)がプロ初本塁打を含むマルチ弾。ロッテでプロ1、2号を同じ試合で記録したのは57年衆樹資宏(当時毎日)、64年石黒和弘(当時東京)、85年横田真之、00年橋本将に次ぎ5人目。うち、1号が決勝弾は横田に次ぎ2人目だ。また、チームで高卒2年目までにマルチ本塁打は榎本喜八(当時毎日)が高卒1、2年目の55、56年に各1度ずつマークして以来69年ぶりとなった。
◇寺地 隆成(てらち・りゅうせい)2005年(平17)8月19日生まれ、東京都出身の19歳。中学3年秋に高知・明徳義塾中に転校し、明徳義塾では1年春から公式戦に出場。2年夏に4番として甲子園に出場し、3年時にU18日本代表入り。高校通算10本塁打。23年ドラフト5位でロッテ入団。昨季10月3日の日本ハム戦で1軍初出場初安打。1メートル77、82キロ。右投げ左打ち。