「こういうところで打てるような選手に…」若林楽人が逆転2点二塁打 サンタナが捕球後にポロリ

2025年4月20日(日)5時5分 スポーツ報知

7回2死一、二塁、若林が左越えに逆転となる2点二塁打を放つ(カメラ・上村 尚平)

◆JERA セ・リーグ ヤクルト4—6巨人(19日・神宮)

 全員の勝利への執念が白球に乗り移った。阿部監督をはじめベンチの選手たちは総立ちで沸いた。1点を追う7回2死一、二塁、2番・若林が木沢の内角球を強振。左翼後方への大飛球をサンタナが背走しながら捕球したかに見えたが、流れの中でグラブからポロリとこぼれた。審判団の判定はノーキャッチ。ヤクルト・高津監督が完全捕球をアピールしてリクエストも覆らず、逆転の決勝2点二塁打になった。

 「こういうところで打てるような選手になりたいと思っていた」。3安打2打点の若林について、阿部監督は以前から「ちょっと真面目にやればいい選手だよ」と能力を高評価していた。その期待に応えるように「何とか食らいついてバットを短く持って」と泥臭くしぶとい打撃で貢献。丸、キャベッジが故障で不在の外野手陣の中で打率2割7分9厘、得点圏打率3割5分7厘と存在感が光る。

 「石川もなんとか粘ってね、そこまで試合をつくって。その後に投げたピッチャーも頑張ったしね」。試合後、阿部監督は投手陣も含めた総力戦の勝利だと強調した。先発の石川は4回79球2失点で交代の判断。「いっぱいいっぱいだと思った」と5回から継投を選択した。翌20日もグリフィンがコンディション不良で先発を回避したためブルペンデーとなり、ケラーが急きょ先発することになったが、層の厚い救援陣を信じて貪欲に勝ちにいった。

 7回は2死走者なしから代打・中山、泉口、若林の3連打で逆転。中山は「負けていても郡さんが盛り上げてくれていたので雰囲気は良かったです」と明るく一丸になって反撃。結果的には石川が3回2死満塁で追加点を許さず、4回1死三塁でスクイズをグラブトスで本塁アウトにして阻止するなど必死に追加点を阻止したことも大きかった。

 開幕戦でヤクルトに逆転勝ちして以来、チームは先制されると引き分けを挟んで7連敗中だった。ヤクルトに開幕5連勝は球団では04年以来、21年ぶり。今季10勝目で貯金2となった。

 ヒーローの若林は開幕後にストレスで3、4キロ体重が落ちたといい「出続ける難しさも感じながらやっています。吐きそうになりながら飯食って。ご飯いっぱい食べて筋トレしてトレーナーさんのおかげです」と声を張り上げた。3点ビハインドをはね返してつかんだ逆転勝利。阿部巨人は着実に地力をつけながら前進している。(片岡 優帆)

 ◆完全捕球 野球規則の「5.09 アウト」の(a)打者アウトには「野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は“捕球”と判定される。要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも“捕球”と判定される」とある。7回のサンタナの場合は、送球動作に移ったと見られなかったと考えられる。

スポーツ報知

「捕球」をもっと詳しく

「捕球」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ