【柔道皇后杯】角田夏実が3回戦敗退 重量級選手と連戦の疲労度は「海で遊びきった後の体みたい」
2025年4月20日(日)17時29分 スポーツニッポン
◇柔道皇后杯全日本女子選手権(2025年4月20日 神奈川・横浜武道館)
体重無差別で争われる女子日本一を懸けた国内最高峰の大会が開かれ、各地区予選を勝ち抜いた34人と推薦2人を合わせた計36人(うち1人欠場)の精鋭が参加した。
パリ五輪女子48キロ級金メダルの角田夏実(32=SBC湘南美容クリニック)が4年ぶり3度目の出場。減量の必要がないため「一番動きやすくて戦える体重」とする53キロで臨み、1回戦は90キロの鋳山真菜実(徳島・生光学園高3年)に判定勝ち、2回戦は76キロの橋高朱里(29=金沢学院短大教員)に巴投げの有効による優勢勝ちを収めた。
3回戦の相手は、70キロ級で昨年の講道館杯優勝、グランドスラム東京大会2位などの実績を持つ寺田宇多菜(26=JR東日本)。角田は1、2回戦同様に何度も得意の巴投げを仕掛けにいくもなかなか決まらず、相手の大内刈りを腹ばいでしのぐ危ない場面もあった。指導は両者2つずつ。終了間際まで巴投げからの関節技を狙いにいった。技によるポイントが両者ないまま5分間の戦いを終え、角田は旗判定の末に敗れた。
4階級上の世界トップレベルの相手に善戦も及ばなかった。自身よりも重い、パワーのある強豪選手と戦い抜いた3試合。「怖さも感じながら緊張感も楽しめた。思っていたより負荷の高い試合になった。疲労が激しくて、だんだん握れなくなっていた。1回戦終わった後の疲労度が普通の試合と全然違った。海で遊びきった後の体みたいなだるさがあった」と独特の表現で振り返った。
今大会は、組み合った状態からの「足取り」が反則とならないルール。足を取って攻める場面も見られたが「持ってはみたものの、どうやって投げればいいのだろう?となってしまった」と苦笑いしていた。終了間際には巴投げで相手を浮かせたが決まらず。「最終形態がイメージできていなかったから投げきれなかった。そこまで出せていたのに…悔しいですね」と話した。
角田が全日本女子選手権に出場するのは4年ぶり3度目。2020年は初戦で57キロ級の玉置桃に指導3つで敗れ、2021年は体重105キロの田中里沙を破って初戦(2回戦)突破も3回戦で78キロ級の梅津志悠に敗れていた。前日の会見で「できれば上まで目指したい。甘い戦いにはならないと思うので、負けたくないという気持ちを持って戦えれば」と一戦必勝を誓っていた最軽量級の金メダリスト。自己最高となる2勝を挙げ、体重無差別の大会でも大きな存在感を見せた。