日本にも「父親リスト」を MLBで大谷が利用し注目 日本プロ野球選手会提案へ
2025年4月22日(火)5時20分 スポーツニッポン
日本プロ野球選手会が21日、大リーグで導入されている産休制度「父親リスト」の創設を日本野球機構(NPB)に要望する方針を示した。ドジャース・大谷が、真美子夫人の出産に立ち会うために利用し、注目を集めていた。
選手会の森忠仁事務局長は「制度としてあっていい。いろいろ調べた上で提案できれば」と説明。今後、選手に意見を求めていくとした。21年にも冠婚葬祭や出産立ち会いで出場選手登録を抹消しても、短期間で復帰できる「慶弔特例」の創設をNPBに要望。身内に不幸があった場合に使用する大リーグの「忌引リスト」を念頭にしていたが、実現しなかった。森事務局長によるとNPB側から「制度にはなっていないが、言ってきたら(対応)してもらっている」と説明され、その後は立ち消えになった。
日本も社会全体で男性の育児、出産休暇取得の理解が広がりつつある。ただ、現状では出場選手登録されたまま欠場した場合、球団は登録数1枠が補充されないまま試合に臨まなければならないことになる。加藤諭事務局次長は「1枠登録を空けてしまうと選手は申し訳なさが残る。特例があれば他の選手がその期間だけ埋めてくれる。選手も心置きなく離れられる」と説明した。(神田 佑)
▽父親リスト 正式名称は「Paternity list(パタニティー・リスト)」で大リーグが11年に導入。選手の子供の誕生、もしくは養子縁組を行う際に利用可能。期間は最長3日間。球団は代替選手を登録可能になる。日本選手では過去、13年ブルワーズ・青木宣親とブルージェイズ・川崎宗則、18年ドジャース・前田(現タイガース)、19年ヤンキース・田中将(現巨人)、22年パドレス・ダルビッシュとカブス・鈴木らが活用した。