阪神・森下“メジャー10位相当”驚異の打球速度を生むこだわり「体からバットが離れないスイング」

2025年4月22日(火)5時15分 スポーツニッポン

 【猛虎プロフェッショナル“技の流儀”】阪神選手の「ここが凄い」というプレー、技術、数値などに迫る企画「猛虎プロフェッショナル“技の流儀”」を開始する。第1回は森下翔太外野手(24)の「打球速度」。3月のプレシーズンゲーム・カブス、ドジャース戦では180キロ台を連発。メジャーでもトップクラスに位置付けられる驚異的なスピードを生んだ源流を探った。

 衝撃の2日間だった。ドジャース戦で放った佐藤輝の豪快弾にも引けを取らない。それほど、森下の「打球速度」は秀逸だった。

 遊ゴロに終わったカブス戦の第1打席。大リーグ公式サイトによると、打球速度115・7マイル(約186・2キロ)は両チームで最速だった。翌日のドジャース戦でグラスノーから放った左直も112・1マイル(約180・4キロ)。シーズン開幕を控えたある日、森下がこだわりを明かした。

 「打球速度、スイングスピードは常に意識しています。いいスイングをしているという、確認の一つにもなるので」

 近年の野球界は、最新鋭の映像機器を使ったフォーム分析や動作解析が主流となっている。森下自身が打球速度を強く意識するようになったのは中大3年時。都内のトレーニング施設「Rebase(リベース)」に通い始めた頃だった。

 「体からバットが離れないようなスイングができれば、打球速度が出てヒットが出やすくなった。最短距離でバットが出るので」

 元来、スイングスピードは速かった。その上で、さらに打球速度を増すために必要な要素は「体のエラー動作をなくす」ことだと気づいた。つまり、打ちにいく際の無駄な動作を省くことができれば、速度の向上を期待することができる。ただし、そのスイングはあくまで理想論でしかない。「全打席で理想のスイングができたら悩むこともないんですけどね…」。苦笑いを浮かべつつ、話題は野球好きの子供たちへのアドバイスに及んだ。

 「小さい頃はフォームがどう、とかはあまり関係ない。まずは振って、打ってみて、ライナー性や遠くに打球が飛ぶ感覚を増やしていくこと。それが20スイングして1本でいいんです。まずは振ることからですよ」

 上達への道しるべを示す上で、経験から言えることはただ一つ。「思い立ったらバットを振っていましたよ」と回想した。これといった本数は設定しない。雨が降れば室内でプラスチックを、晴れた日は金属バットを振った。メジャーリーガーも顔負けの打球速度につながる原点。それは「質より量」の練習だった。 (石崎 祥平)

 ≪大谷は29位≫森下がカブス戦で計測した115・7マイルは、今季のメジャー全体でも10位に相当する。同1位はゲレロ(ブルージェイズ)の120・4マイル(約193・7キロ)。18日(日本時間19日)の7回、三ゴロに倒れた際に計測した。大谷(ドジャース)の今季最速は、7日(同8日)ナショナルズ戦の初回に二塁内野安打した113・1マイル(約182・0キロ)で同29位。昨季最速は自己最速を更新する119・1マイル(約191・7キロ)で同3位だった。

 ≪22日からDeNA3連戦 得意のジャクソン撃つ≫きょう22日から敵地でDeNAとの3連戦に挑む。森下は2戦目の先発ジャクソンと相性が良く、昨季は13打数5安打で打率.385、1本塁打を放った。今季も難敵を苦にせず、1日の初対戦で3打数1安打だった。それでも「自分の打撃をやるだけ。ピッチャーが誰でも変わらない」と泰然自若。初戦の先発が予想されるバウアーからは、2年前の対戦で本塁打をマークしている。

スポーツニッポン

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