早稲田大のルーキー佐々木哲、3000m障害で鮮烈デビュー…箱根路で「最高の結果残したい」

2025年4月22日(火)11時39分 読売新聞

 新学期が始まり、陸上界はトラックシーズンに突入した。12日には熊本市で、箱根駅伝を創設した金栗四三かなくりしそうの名を冠した金栗記念選抜中長距離大会が開かれ、多くの学生が参戦した。中でも目を引いたのが、次回の箱根で頂点を狙う大学のルーキーだった。(編集委員 近藤雄二)

佐久長聖で「都大路」連覇導く

 男子3000メートル障害で、キラリと輝く健闘を見せたのが、早大期待のルーキー佐々木哲だった。

 序盤から東京、パリ両五輪代表の青木涼真(ホンダ)が引っ張るトップ集団に、学生で唯一食らいついた。中盤で新家にいなえ裕太郎(愛三工業)がトップを奪うと、ピタリとつく。2000メートルを過ぎて新家に離されるが、青木と競り合いながらラスト1周の鐘。バックストレートで単独2位に躍り出ると、2023年世界選手権代表の砂田晟弥(SUBARU)や青木らの猛追を退け、2位でゴールを駆け抜けた。

 8分29秒05。自己記録を8秒18塗り替える、U20日本歴代2位の好タイムで大学デビューを飾った。

 「シーズン序盤で調子は良くないと思っていたが、ここまでちゃんと走ることができて、自信になった」

 長野・佐久長聖高では高校総体を制し、高校歴代2位の8分37秒23をマーク。昨年の全国高校駅伝では、3区区間賞でチームを2連覇に導いた逸材だ。

 入学直前の3月末には豪州で5000メートルレースに参加。早大で同期となる、千葉・八千代松陰高出身で昨年の全国高校駅伝1区区間賞の鈴木琉胤るいが高校歴代2位、U20日本歴代3位となる13分25秒59をマークした一方、自身は13分59秒73にとどまった。しかし、本職では確かな非凡さを示し「(豪州では)記録面で落ち込む部分があったけど、よかった」と笑顔を見せた。

 3000メートル障害といえば、五輪2大会連続入賞の三浦龍司(SUBARU)の存在が大きい。「もう少しで手が届くと感じられた。4年生で迎えるロサンゼルス五輪を目指し、箱根では最高の結果が残せるよう、鈴木らと一緒に頑張りたい」。大型ルーキー同士が磨き合い、どこまで世界に迫るか。古豪を久々に箱根の頂点へと導くのか。成長の軌跡を、見つめていきたい。

ささき・てつ 長野・佐久長聖高出身。2024年高校総体3000メートル障害で8分37秒23の高校歴代2位をマークして優勝。23年の同総体は8位入賞。24年U20日本選手権の同種目も大学生たちを制して優勝した。全国高校駅伝では、23年は5区区間賞、24年は3区区間賞をマークし、チームの2連覇の立役者となった。

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