阪神・佐藤輝 バウアー粉砕で6打席連続安打、2戦またぎ“サイクル”「思い切り振りにいけた」
2025年4月23日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4—2DeNA(2025年4月22日 横浜)
阪神・佐藤輝明内野手(26)が22日、DeNA戦(横浜)の第1打席に三塁打、第2打席に二塁打を放ち、4打数4安打の20日広島戦(甲子園)から自己最長の6打席連続安打を記録した。同戦では2本塁打と単打があり、2試合にまたがる“サイクル安打”を達成。3月16日のプレシーズンゲーム・ドジャース戦(東京ドーム)でサイ・ヤング賞左腕のスネルに一発を浴びせた主砲が、この日は同賞右腕のバウアーも粉砕。連勝の猛虎は、節目のシーズン10勝に到達し、今季最多タイの貯金2とした。
佐藤輝が、振れば長打の“確変モード”に突入している。4打数4安打、2本塁打、1二塁打だった20日広島戦に続き、この日も三塁打、二塁打で滑り出した。自己最長となる6打席連続安打で、2試合にまたがる“サイクル安打”の快記録。15日ヤクルト戦(松山)から新4番を託されて1週間。26歳がいよいよ本格化してきた。
「思い切り振りにいけて良かった。(第1打席の三塁打は)高めの球をしっかりはじけたので、良かった」
2回先頭で巡った第1打席、1ボールからバウアーが投じた高め直球を砕くと、弾丸ライナーが右翼・度会のグラブをはじき、積極走塁も絡めてヘッドスライディングで三塁打に。4回無死一、三塁で訪れた第2打席は、ナックルカーブを鮮やかに振り抜いて右中間へ。2—0とする適時打で、20年のサイ・ヤング賞右腕の戦意を削った。
「(適時二塁打は)追加点のチャンスを(中野)ムーさんと(森下)翔太が作ってくれたので、得点することだけを考えた。しっかりコンタクトできた」
バウアーとは2年ぶりのリマッチだった。当時は8打数2安打、3三振と苦戦気味だったが、時を経て、佐藤輝も確かな成長を見せている。先頭で立った6回の第3打席も荒れ球を打ち急ぐことなく四球をゲット。無得点ながら、2死満塁の好機を演出して剛腕にジャブを打った。7回の第4打席こそ二ゴロに倒れたが、これで19打席続けて三振がない。試合前時点では両リーグ最多の25三振を喫していても、ここ数試合は打つべき球を打てる好調ぶり。明らかなボール球に手を出す悪癖も見られなくなった。天性の長打力を備える4番から弱点が消えれば、ロングヒットを量産する直近の勇姿は必然の産物と言える。
「もちろん3つ勝つつもりで、しっかり準備したいと思う」
DeNAと激突した今月1〜3日のホーム開幕カードでは2敗1分け。逆襲を期す敵地3連戦の初戦で、今季のDeNA戦初勝利へ導き、貯金も今季最多タイの2。シーズン10勝到達で、降雨中止の首位・広島との差を「1」に縮めた。若武者のバットが引き寄せた奪首の瞬間。3月16日のドジャース・スネルに続くサイ・ヤング賞投手の攻略で、若き4番が自身の進化と真価を確かに証明した。(八木 勇磨)