モーグル堀島行真が狙う2つの夢 五輪2冠と「五輪終わったら妻1人の時間を」最愛の家族と未到の高みへ
2025年4月24日(木)5時0分 スポーツニッポン
フリースタイルスキー男子モーグルで22年北京五輪銅メダルの堀島行真(27=トヨタ自動車)が23日、東京都内で本紙の単独インタビューに応じ、26年ミラノ・コルティナ五輪での2冠に自信を示した。3月の世界選手権ではモーグル(MO)金、デュアルモーグル(DM)銀で8年ぶりの2冠は逃したが、手応えは十分。左膝のケガを完治させ、3度目の五輪に挑む。 (取材・構成 阿部 令)
3月の世界選手権のDM準決勝で左膝を負傷し、帰国後に精密検査を受けて3週間余り。今年はこの時期の楽しみだった子供たちへの指導を取りやめ「凄く残念」と話す堀島だが、思わぬ休養は「頭の整理もそうだし、怒濤(どとう)のように忙しくないのは良かった」とプラスに捉え、リハビリに励んでいる。
五輪プレシーズンはW杯で4勝を挙げ、世界選手権のMOでは8年ぶりの頂点に、「世界選手権で金2つが目標だったので、もう一息だったなというのが正直なところ。でも地力を上げる意味では、当初のプランを達成できた実感はある」と大きな手応えを得た。
23年に充実した屋内施設があるノルウェーに練習拠点を移した。迎えた23〜24年はMOで初のW杯種目別優勝。今季は斜め軸に4回転するコーク1440を第2エアで導入し、世界選手権ではW杯通算99勝の“王様”ミカエル・キングズベリー(カナダ)を6点以上も離した。「(移住が)成果につながった。圧倒的な勝利で自信になった」と振り返る。
3度目の五輪シーズンへ。第1エアにアレンジを加える可能性はあるが、基本的に構成は変えず「完成度と再現性を高める。コーク1440は10本やったら10本成功できる状態で臨みたい」と意気込む。ライバルもエアの難度を上げてくる可能性があるが「僕も歩み(進化し)ながらなので」。来年2月の五輪までに誰も追い付けない領域まで達するつもりだ。
「来季はW杯開幕から表彰台100%という結果を出して準備したい。今までの経験をプラスにして金メダルを狙いにいく」。22年11月に北京五輪代表の輝紗良さん(旧姓住吉)と結婚し、1女をもうけ「五輪が終わったら、妻1人の時間をつくってあげたい」。目指すは五輪2冠。最愛の家族とともに、未到の高みへと駆け上がる。
◇堀島 行真(ほりしま・いくま)1997年(平9)12月11日生まれ、岐阜県池田町出身の27歳。教員だった両親の影響で1歳でスキーを開始。岐阜第一高—中京大。13年2月にW杯デビュー。17年の世界選手権では男子史上初のMOとDMの2冠を達成。五輪は18年平昌大会が11位、22年北京大会は銅メダル。W杯通算22勝は日本歴代最多。22年11月に元選手の輝紗良夫人と結婚。