阪神・大山が連日の魚雷V撃!1000試合出場支える「特別な足」と人一倍の練習量

2025年4月27日(日)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神6—2巨人(2025年4月26日 甲子園)

 阪神・大山悠輔内野手(30)が26日、巨人戦(甲子園)の8回1死一、二塁で三塁線を破る決勝の適時二塁打を放ち、自身の通算1000試合出場を彩った。2—2の均衡を破る一撃はリーグ単独トップとなる今季5度目の勝利打点となり、同戦だけで早くも3度目。宿敵に開幕から5戦5勝は、1リーグ時代の1948年以来、77年ぶりの偉業となった。チームは今季初の6連勝で、同最多の貯金6。リーグ2位・広島との差を1・5ゲームに広げた。

 7回までのシーソーゲームから一転。疾風迅雷のごとく訪れた勝ち越しの絶好機でも、大山は冷静だった。2—2の8回1死一、二塁。マウンドには4番手の田中瑛。1死二塁から前打者・佐藤輝が申告敬遠された屈辱と、石川、グリフィンの両左腕に喫した見逃し三振、投ゴロ併殺、三ゴロの後悔を一度、頭の奥に片付けた。代わりに、右腕のイメージを引き出した。

 「過去に対戦もあった。球の軌道、どういう投手なのか、というのも頭に入っていた」

 多彩な変化球が持ち味の25歳が狙うのは併殺のはず。しかし主砲は相手を上回った。引っかけさせにきた初球の外寄りスライダーを見逃し、1ストライク。2球目、今度は詰まらせにきた内寄りシュートに体が鋭く反応した。通常なら「詰まらされる」部分が芯になっている新相棒の特性を生かした。漆黒の魚雷バットが火を噴き、雌雄を決する2戦連続の決勝打。万雷の拍手が、背番号3に降り注いだ。

 「1点ではなく、その後の2点、3点を取れたのが凄く大きかった。(1死満塁をしのいだ)8回表の守備で勢いがついた。本当に全員の勝利だった」

 今季5度目の勝利打点で、巨人戦だけで3度の荒稼ぎ。伝統の一戦で燃える5番が勝負強さを発揮。自身の通算1000試合出場を、華やかな快打と勝利で飾り、4月は12勝7敗1分けで月間の勝ち越しを決めた。

 「ここまで使ってもらった監督、コーチ、いろんな方の支えがあって“1000”に来られた。感謝したい」

 人一倍の練習量と「特別な足」が過酷な日々を支えている。ケアを担当する個人トレーナーの仲林久善氏は「膝下、ふくらはぎから足首にかけて、いい意味で細い。“シュッ”としている。機敏な動きができる大型選手の特長」と証言する。生まれ持った天性の輪郭は、1メートル81、95キロの巨体をしなやかに支え、疲労軽減にも直結。過去8シーズン、大きな故障なく過ごせている一因と言っていい。

 「丈夫な体に産んでくれた親にも感謝したい。これからまた一試合一試合、しっかり積み重ねていければ」

 地雷のような歓声に称えられた金字塔すら、通過点に過ぎない。次なる目標はただ一つ。「1001試合目での貢献」だ。(八木 勇磨)

スポーツニッポン

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