SVリーグ準決勝 サントリーvs名古屋で“誤審” 日本バレーボール協会「審判員の間違いは明らかです」…
2025年4月28日(月)6時0分 スポーツ報知
サントリーとの接戦に敗れ、肩を落とす名古屋の選手たち(カメラ・豊田 秀一)
チャンピオンシップ(CS)準決勝第3戦が27日、Asueアリーナ大阪で行われ、サントリーが3—1で名古屋を下し、決勝進出を決めた。しかし、試合では審判員による情報共有ミスがあり、日本バレーボール協会の担当者は「審判員の間違いは明らかです」と“誤審”の事実を認めた。
会場内が騒然としたのは、サントリーのセットカウント2—1から迎えた第4セット終盤だった。25—25で名古屋のティネ・ウルナウトのスパイクがラインアウトでサントリーの得点に。だが、名古屋がビデオ判定を要求し、ブロック時にサントリー選手にタッチがあったと判定が覆り、名古屋に得点が認められた。そのため、スコアはサントリーが25点、名古屋が26点になり、名古屋サポーターからは大歓声があがった。しかし、プレーがすぐに再開されない不穏な空気が漂い出すと、サポーターの応援がピタリと止まった。
すると、場内アナウンスで「名古屋の選手にマナー違反があった」と放送が流れ、その後にサントリーに1点を追加。26—26の同点の形でプレーが再開した。20—24から追い上げを見せ、25—25に持ち込んだ名古屋の勢いは失速。異様な雰囲気のまま試合はサントリーが2点を連取し、勝利が決まった。
しかし、試合終了後に、実際は名古屋の選手に2枚のレッドカードが出されていたことが判明。26−26の場面だった本当のスコアはサントリーが27点、名古屋は26点となり、プレーを再開しないといけなかった。サントリーベンチからも「もう一点、もう一点」と声をあげる姿が見られたが、届かなかった。
SVリーグから派遣された日本バレーボール協会の審判員の担当者は「実際は名古屋が2枚のレッドカードで、サントリーに2点を追加し、27—26でスタートしないといけないところを、主審からの1枚目に出した水町選手へのレッドカードが(得点説明を行う担当者に)伝わっていなかった。ニミル選手はベンチでの不当な行為(マナー違反)があり、レッドカードが出された。そのニミル選手に出した2枚目分のみ、得点が反映した形となった」と説明。続けて、「1回目の水町選手に対して反則が与えられたという放送を入れて、サントリーに得点を追加し、ニミル選手へのレッドカードが出たため、サントリーにもう一点を与えますと手順を踏んでやっていれば、問題はなかった」と説明した。
ネット上でも、審判への抗議の声が多く上がった。同担当者は「水町選手へのレッドカードがうまく審判員同士で伝わっていなかったのが原因。審判員の取り扱いに間違いがあったのは明らかです。対応がまずかったと受け止めています。あってはならないこと。情報共有がうまくいっていればこういうことはなかった。反省しています。SVリーグ、両チームへの事象報告を行います。ただ、いずれにしても勝敗が変わる訳ではないです」とした。
試合後、水町は「いつもはタッチマークが出たら、絶対丸印がついているのに、明らかにタッチで丸がついてなくて…。感情的になってしまった僕が悪かった」と反省。「僕が感情的になったせいでこのチームを終わらせてしまった。もっともっとこのチームで来週もバレーをしたかった」と声を震わせた。さらに、「ニミルは、あのカードは俺の一枚でもある。気にするなと、声をかけてくれた。本当にかっこいいと思える選手です」とチームメートに感謝し、再び大粒の涙を流した。
チャンピオンシップ決勝は5月3日、東京・有明アリーナで、レギュラーシーズン2位のサントリーと、1位の大阪Bを倒し、勝ち上がった4位・愛知が戦う。