阪神ドラ1・伊原 村山超えだ!初登板から15回1/3無失点 智弁学園の先輩・岡本も斬った
2025年4月28日(月)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神1—2巨人(2025年4月27日 甲子園)
堂々としたマウンドさばき、そして制球力は、初体験の甲子園での伝統の一戦でも際立っていた。阪神のドラフト1位・伊原が6回を4安打1失点。吉田義男さんの追悼試合で快投を演じた。
「ピンチもありましたけど、チームとして最少(失点)で抑えるということも大事なことですし、勝つためには必要なことなので、そこは良かった」
ピンチを背負っても、マウンドでは冷静さを貫いた。1—0の3回。堀田、泉口に連打を浴び、1死二、三塁から吉川の二ゴロの間に同点とされた。プロ初失点。なおも2死三塁から岡本を高め直球で空振り三振に斬り、傷口を広げなかった。
智弁学園の4学年先輩である岡本とは3度対戦。右飛2つと三振と完璧に封じ込めた。「(巨人には)素晴らしい打者がそろっているので。そこは一つ抑えられたのは良かったかなと思います」。登板8試合で初失点こそ記録されたものの、適時打はまだ許しておらず、手応えを深めた。
デビューからの連続イニング無失点は15回1/3で途切れた。しかし、球団の新人として、村山実の14回を上回った。初代日本一監督の追悼試合で、通算222勝の「ミスタータイガース」の足跡を浮かび上がらせる投球。「結局、勝たないと意味がない。僕が0に抑えとけばいいだけの話なので」。厳しい自己評価に、頼もしさを感じさせた。
プロ初先発だった前回20日の広島戦では5回を4安打無失点で初勝利。2度目も期待に応えた。藤川監督からは「素晴らしかった。まだまだ伸びしろを感じますね。また、5月、6月とプロのキャリアを初めて経験していくので頑張ってもらいたい」と改めて期待を寄せられた。
追悼試合での先発には「球団の中で歴史を築いた方の背番号を背負えたというのは一つ大きいかなと思います」と、その重みをかみしめた伊原。球団創設90周年のシーズンにプロ生活を踏み出し、新たな歴史を刻んでいく。 (山手 あかり)
≪ドラフト制以降では球団最長≫伊原(神)が3回1死二、三塁、吉川の二ゴロの間に生還を許してプロ初失点。3月30日広島戦のプロ初登板からの連続イニング無失点が15イニング1/3でストップした。2リーグ制以降の阪神新人投手では63年の中井悦雄31イニング、64年古沢憲司の16イニングに次ぐ3番目で、「ミスタータイガース」村山実の59年14イニングも上回る記録。ドラフト制以降の新人(66年〜)ではチーム最長となった。
≪最優秀防御率&沢村賞≫
▽59年の村山 関大から阪神入団。デビュー戦の4月14日、国鉄戦(甲子園)は9回を2安打完封の初登板勝利。続いて先発した19日の巨人戦(同)では6回1死から土屋正孝のソロ本塁打を浴びてプロ初失点し、1死を挟んで長嶋茂雄にもソロを被弾して6回2失点でプロ初黒星を喫した。同年は18勝10敗、防御率1・19の活躍で最優秀防御率のタイトルを獲得。沢村賞にも選ばれた。