【中日】涌井秀章、史上4人目の新人年から21年連続勝利 「これからも一線でやりたい」
2025年4月30日(水)5時0分 スポーツ報知
新人から21年連続勝利を挙げた涌井秀章(左)が井上一樹監督から声をかけられる (カメラ・豊田 秀一)
◆JERAセ・リーグ 中日—阪神(29日・バンテリンドーム)
中日・涌井秀章投手(38)は涼しい顔だった。今季初の1軍マウンドで、6回4安打1失点の貫禄投球。新人年から21年連続勝利を挙げ、小山正明、米田哲也、石川雅規(ヤクルト)に続く史上4人目の偉業に名を連ねた。「けがなくやってきたことが一番大きい。9連戦の初戦を勝ててよかった」。わずかに頬を緩めた。
衰え知らずの好投だった。140キロ後半の直球に多彩な変化球を交えながら、打者を翻弄。4回に佐藤輝に右越えソロを被弾したものの、この1点に抑えた。阪神相手の白星は西武に在籍していた2010年6月9日以来で、「阪神に勝ててなかったので、次につながるかな」と感慨もひとしお。23年の中日移籍後は7試合に登板して勝ち星がなかった難敵を抑え込み、偉業達成に花を添えた。
自身を“飽き性”と分析する。「野球はあんま好きじゃない。他に得意なことがないから、やってるだけ」。横浜高時代にバッテリーを組んだ同校の村田浩明監督は「飽き性じゃない。博士みたいに突き詰める」と首を横に振るが、徹底した走り込みや技術の修正などの努力は、涌井にとっては当たり前。「(野球への)気持ちが(試合中の)18時〜22時ぐらいしかないから、打たれても、球場を出る時には違うことを考えてるし、気持ちも切り替わる。勝っても同じ」。一喜一憂しない性格を武器に、4球団を渡り歩きながら長く結果を残し続けてきた。
「これからも一線でやりたい。(ヤクルトの)石川さんがまだまだ続けると思うので、追いかけていけたら」。4月に24年連続勝利をマークした左腕は7学年も上。38歳の右腕も、老け込むつもりは全くない。(森下 知玲)