ヤクルト・茂木 チーム救った通算77号 逆転V3ランで5カードぶり勝ち越し
2025年4月28日(月)5時30分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ヤクルト6—2中日(2025年4月27日 バンテリンD)
一振りでチームを救った。2点を追う4回、無死二、三塁で打席に入ったヤクルト・茂木に気負いはなかった。
「前に飛ばして何とか事を起こせれば。犠飛でも」。振り遅れないように少し早めにタイミングを取り、甘く入ってきた149キロの直球を完璧に捉えた。広いバンテリンドームの右翼席に飛び込む特大の逆転3ラン。通算77号が決勝弾となり、同球場はこれまで本塁打も打点もなかった“鬼門”だけに「入るとは思わなかった」と笑みがこぼれた。
故障離脱中の塩見、村上に続いて、長岡も26日の中日戦で右膝を痛めて出場選手登録を抹消された。松本直も同日に左膝に自打球を当てて戦列を離れ、危機的な状況だからこそ、茂木は「今いるメンバーでベストの戦いをしようと思っていた。レギュラーに離脱者が出た中で勝てたのは大きい」と力を込める。
大型連休が始まり、全国の球場は多くの家族連れなどでにぎわっている。「子供の頃に(球場で)松井稼頭央さんのプレーを見て、華やかな守備は印象に残っている。“こういう選手になりたいな”と憧れたので、僕も目指してもらえる選手になりたい」と茂木。チームを5カードぶりの勝ち越しに導いた豪快な一発は、少年少女たちにとって忘れられない思い出になったはずだ。(重光 晋太郎)