日本ハム・水谷に復活の兆し!「腹をくくって球場に来た」と今季初マルチ&適時打
2025年4月28日(月)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ 日本ハム3—5ロッテ(2025年4月27日 エスコンF)
日本ハムの水谷瞬外野手(24)が27日、ロッテ戦に「2番・左翼」で出場し、今季初のマルチ安打と躍動した。5回に中前打、7回には今季初の適時打をマーク。今季開幕直前に左脇腹の違和感で開幕2軍スタートと出遅れ、復帰後も出場4試合で14打数1安打とバットが湿り気味だったが、昨季交流戦MVP男がようやく復活の兆しを見せた。
この日朝。車でエスコンに向かう道中、水谷はハンドルを手にしながら自らを奮い立たせていた。「今日が駄目ならバットを置くとまではいかないが、それぐらい腹をくくって球場に来た」。5試合ぶりに与えられたスタメン。背水の覚悟で“ラストチャンス”をものにした。
3点を追う5回2死一塁で迎えた3打席目だ。田中晴の高め直球を捉えると、二塁手・藤岡のグラブをかすめながら中前へ抜けた。7回2死一、三塁では2番手・木村から中前適時打。今季初のマルチ安打に、新庄監督は「右(投手)の時、今日は元気あった。彼には乗ってもらわないとね。勢いをつけてくれる選手なんで」と、長距離砲の復調の兆しを手放しで喜んだ。
今季は左翼のレギュラー筆頭候補として期待されたが、開幕直前に左脇腹の違和感で離脱。1軍昇格後の19日のオリックス戦で今季初本塁打を放つも、前日まで出場5試合で14打数1安打と快音が続かなかった。「難しく考え過ぎていた」。この日は「打てなくても命まで取られない。ダメなら新しく改善すれば良い」と、割り切りが好結果に表れた。
開幕を2軍で過ごしていた4月上旬。複数の友人に昨季と今季の打撃フォームの動画を送った。「間違い探しじゃないけど、自分以外の方が違いが分かると思って」。野球未経験の友人からは「構えで力が入っている」と、指摘してもらっていたことを思い出した。「結果を出したい気持ちで無意識に力が入っていたのかもしれない」と、友人の助言も復調の後押しとなった。
チームは2カード連続で負け越したが、水谷の復活の兆しは何よりの収穫だ。「割り切っていった中で、2本結果出せたのは明日以降への自信になる」。まだ4月。ここから、出遅れた分を取り戻してみせる。(清藤 駿太)