阪神・佐藤輝 月間自己最多8発で「月間MVP」視野 「ずっとやってきたことが形になりつつあるのかな」
2025年4月30日(水)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神1-4中日(2025年4月29日 バンテリンD)
阪神・佐藤輝が、0—1の4回1死から右翼へ同点ソロを放った。月間自己最多の8発目となる9号。通算11打数6安打、打率.545の好相性で臨んだ涌井の直球を攻略した。両リーグ最速10号に王手をかけ、23年9、10月度以来の「月間MVP」も視界に捉えた。
「高めの球をしっかりコンタクトできた。いい打撃ができた。早めに追いつきたい展開だったので良かった」
4.8メートルの高い外野フェンスも、過去の自分も、軽々と超えていった。カウント1—1からベテラン右腕が投じた内寄りの高め直球を粉砕。沈滞する空気を切り裂く白球が、一直線に伸びた。昨年は8月6日ヤクルト戦まで待った「9号」を、今季は4月29日に記録する驚速ペースで、9本塁打は両リーグ断トツ。23打点はリーグトップタイ。セ界どころか、球界を代表するスラッガーに変貌を遂げた。
「ずっとやってきたことが少し形になりつつあるのかなと思う」
中堅122メートル、両翼100メートル。セ5球団の本拠地球場の中で、バンテリンドームは屈指の広さを誇る。そのため、同一リーグの球場別では最少の5本塁打しか打てていなかった。この日の6本目は23年9月25日以来、2シーズンぶり。相性は決して良くなかった尾張で、打った瞬間にスタンドインを確信する豪快弾。この一本こそ、背番号8の成長と進化の証に他ならない。
「もう一本、走者がいるときに(安打が)出なかったので、出せるように頑張ります」
本塁打だった第2打席以外は、全て塁上にランナーがいた。初回2死一塁、3点勝ち越された直後の6回2死一塁、逆転への望みを懸けた8回2死一塁…。どこか一度でも快音が響いていれば、黒は白へと変わったかもしれない。「またあした、頑張ります」。4月のアーチ締めと逆襲の1勝を期し、4番は短い言葉に決意を込めた。(八木 勇磨)
【バンテリンDでは2年ぶり本塁打】
○…佐藤輝(神)のバンテリンドームでの本塁打は23年9月25日以来2年ぶりで、通算6本はセ・リーグの本拠地球場では最も少ない。これでシーズン9号とし、新人から5年連続の2桁本塁打にリーチ。達成すれば阪神選手では岡田彰布の12年、田淵幸一の10年に続く3人目になる。なお佐藤輝の最速10号到達は新人の21年、チーム33試合目。目下チーム25試合目で、自己最速の更新もかかっている。
【月間8本塁打は自己最多】
○…9本塁打のうち4月に8本。月間8本塁打は22年4月の23年9月の7本を上回る自己最多となった。仮にきょう30日に2本出て月間2桁本塁打達成なら、阪神では22年6月、大山の10本塁打以来になる。