レギュラーシーズン4位の愛知、初代王座をかけた決勝へ リベロ小川「優勝できる。自分のチームの選手が一番」
2025年5月2日(金)9時10分 スポーツ報知
愛知の宮浦健人
バレーボールの国内最高峰「大同生命SVリーグ」の初代王座を懸けた男女のチャンピオンシップ決勝が始まる。東京・有明アリーナで実施される女子は2日が第1戦となり、レギュラーシーズン(RS)1位の大阪Mと2位のNEC川崎が対戦。昨季Vリーグ決勝と同じカードで、NEC川崎は前身のVリーグからの3連覇を目指す。男子決勝は第1戦が3日に有明アリーナ、第2戦以降は5〜6日に千葉・ららアリーナ東京ベイで開催。RS2位のサントリーと4位の愛知が初代王者を争う。2戦先勝方式で行われ2戦で決着した場合、3戦目は行われない。
スター集団が、決勝でもその実力を見せつける。CS準決勝で愛知は1位の大阪Bに2連勝し、決勝進出に一番乗り。パリ五輪代表オポジットの宮浦は準々決勝、準決勝の4試合すべてで20得点以上を挙げるなど、計94得点と活躍した。サウスポーのエースは「自分たちに自信を持って戦えた。目標を一つクリアした」とさらに自信を深めた。
宮浦は早大で全日本インカレ4連覇を達成し、愛知に入団。その後、ポーランド、フランスで経験を積み、3季ぶりにチームに復帰した。開幕から存在感を示したが、1月に左足関節捻挫で離脱。苦しいシーズンとなった。それでも、CSで完全復活し、「満足せずに頑張りたい」とエースの自覚をのぞかせた。
愛知の武器は攻撃力だけではない。チームの技術もトップレベルだ。先発メンバーは、宮浦を含め、リベロの小川、セッターの関田、ミドルブロッカーの高橋健、村山と25年日本代表登録メンバー。さらに、総得点リーグ3位のアウトサイドヒッター・デファルコはパリ五輪銅メダルの米国代表。小川は「どのポジションを見ても優勝できると思っている。自分のチームの選手が一番」。RS4位からの下克上という言葉はあえて使わず、力強く言い切った。
決勝で対戦するサントリーとはRS1勝3敗だが、関田は「RSは関係ない。CSで勝てればいい」ときっぱり。最強メンバーでSVリーグ初代王者の称号を手にする。(森脇 瑠香)
◆男子決勝展望 RSでの対戦はサントリーの3勝1敗だったが、愛知はCS準決勝で西田有志(25)擁する大阪Bに2連勝しており好勝負が予想される。愛知の得点源、宮浦は1月に左足関節捻挫で一時離脱したがコートに戻ってきてからは調子を上げ、決勝一番乗りに貢献した。サントリーは得点ランク2位の218センチ大砲、D・ムセルスキーを軸とした攻撃力と、高橋藍らの堅実な守備がそろう。
◆大同生命SVリーグ 昨年10月に開幕したバレーボールの国内リーグ。「S」は「Strong(強く)」「Spread(広く)」「Society(社会)」などの意。前身のVリーグがSVと2部のVに分かれ、SVは5項目のSVライセンスを保有するクラブが参戦(今季は男子10、女子14)。2027年までに完全プロリーグ化、30年に世界最高峰リーグを目指す。今季はレギュラーシーズンで各チームが44試合を行い、上位(男子6、女子8)が進むチャンピオンシップ(CS)で王者を決める。