日本ハム・古林睿煬 来日初勝利 台湾の「火球男」7回2失点10K

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　◇パ・リーグ　日本ハム3—2ソフトバンク（2025年5月1日　みずほペイペイD）

　日本ハムの新外国人・古林睿煬（グーリン・ルェヤン）投手（24）が1日、来日2度目の先発となったソフトバンク戦でうれしい来日初勝利を挙げた。7回5安打2失点で、2桁の10三振を奪った。台湾プロ野球で「火球男」と呼ばれ、最速157キロを誇る剛球を披露。チームを敵地で今季3度目の同一カード3連勝に導いた。多くの名選手を生んだ台湾出身投手の系譜に、力強く第一歩をしるした。

　24歳の背中が大きく見えた。台湾の期待を背負う古林睿煬が、来日初白星。自身のみならず、台湾ファンも笑顔にする1勝だ。

　「凄く意義のある1勝。台湾の投手が日本に来るのはあまり多くない中で、自分が1勝を取ったのは台湾にとっても大きいと思う。これから多くの人に自分を見てもらいたい」

　日本デビューだった4月23日の楽天戦は、6回途中7失点。当日は古巣の台湾・統一の首脳陣らが、テレビの前で日本ハムのユニホームを着用して応援していた。今度こそ、周囲の支えに応えたかった。初回は3安打を浴びて2失点したが、この日最速155キロの直球を軸に2回以降は2安打に抑え、7回5安打2失点、10奪三振の快投。記念のウイニングボールは「奥さんに渡します」と球場に駆け付けた夫人への最高の贈り物にする。

　不思議な縁がつないだ“同い年”バッテリーでつかんだ。同じ00年生まれの田宮は、成田2年だった17年12月に千葉県高校選抜メンバーとして台湾での交流試合に参加し、地元の強豪校の右腕と対戦した。その時に2打数無安打に抑えられた「凄い投手」が、古林睿煬。「（入団後に）あれがグーリンだったんだとなりました」と驚いた。偶然にも対戦経験のあるコンビは、息もぴったりだった。

　右腕の才能にほれ込む新庄監督は「よっしゃあ！グーリンはいい子だからめっちゃうれしい。これからバンバン勝ってもらって」と大喜び。今後の登板間隔の予定を問われ「中3日。そのぐらいで投げさせたい気持ちはありますね」と冗談めかして、3連勝に導いた右腕を称えた。

　家庭の事情で、幼少期から祖母に育てられた。デビュー戦を生観戦し、今は台湾に戻った愛する祖母には「これから電話したい」とはにかんだ。台湾で絶大な人気を誇る右腕の歴史に、新たな一ページが刻まれた。（田中　健人）

　◇古林睿煬（グーリン・ルェヤン）2000年6月12日生まれ、台湾・台中市出身の24歳。平鎮高中から18年ドラフト1位で台湾・統一に入団。23年にアジアプロ野球チャンピオンシップの台湾代表に選出され、昨季は最優秀防御率＆年間MVPを獲得。台湾での通算成績は70試合で32勝15敗、防御率2.48。オフにポスティングシステムを利用して日本ハムに移籍した。1メートル84、81キロ。右投げ右打ち。