巨人ドラ5の153キロ左腕・宮原駿介、「1軍に上がってちゃんと結果を」同期大卒ルーキーが経験した舞台へ思い
2025年5月3日(土)10時0分 スポーツ報知
宮原駿介
巨人の若手選手の今を伝える「From G」第7回は、ドラフト5位・宮原駿介投手(22)=東海大静岡キャンパス=。左のリリーフとして経験を積む最速153キロ左腕は、同じ大卒ルーキーの浦田や荒巻が1軍デビューを果たした現状に、「早く自分も続きたい」と決意。7月15日に静岡・草薙球場で開催される1軍戦(対ヤクルト)での凱旋登板を目標に掲げた。また山口2軍投手チーフコーチが、宮原の長所と課題を明かした。(取材・構成=臼井 恭香)
プロのレベルを体感しながら、宮原が成長のステップを踏んでいる。イースタン・リーグ開幕から左の中継ぎとして11試合に登板し、防御率3・18(成績は1日現在)。開幕から6試合連続無失点も記録した。
「低めかつゾーン内で勝負できるようになりました。低めに真っすぐを投げると、そこから変化球を落として生かすことができる。配球を桑田監督やコーチに教わって、そのおかげで抑えられたところはあります」
恵まれた環境をフル活用している。同じ左のリリーフとして9年連続60試合登板、最優秀中継ぎを3度獲得した山口2軍投手チーフコーチからはツーシームを教わった。
「山口さんのと今まで自分が持っていたのと両方あって、今は教わったものをメインで使っています。自分のは落ちて、山口さんのは横にピュッと曲がってゾーンに入りやすい。左打者のインコースにツーシームをあまり使えなかった試合は打たれました」
大学時代との最大の違いは、試合が毎日のようにあること。中継ぎとして週6日、登板に向けた準備を続ける過酷さを痛感しているという。
「コンディション作りが大変。ウェートトレーニングをするタイミングとかが難しい。いつ投げるか分からない状態なので、そこはうまくやらないといけない」
試行錯誤が続く中、2軍を指導している野上3軍投手コーチの助言が生きている。先発、中継ぎとしてプロ通算254登板の経験を持つ同コーチからは、気持ちの切り替えの重要性を説かれた。
「自分は早めから準備してしまうので、そうすると疲れる。『スイッチを入れる時と、入れない時はちゃんと分けたほうがいい。切り替えるところはパッと切り替えていけるようにしたら1年間持つよ』と、話をされました」
首脳陣だけではなく、先輩選手の姿も間近で観察しながら勉強中。特に、試合後の気持ちの切り替えの早さには衝撃を受けたという。
「みなさん失点しても、反省は自分の中でしていると思いますが、全然引きずらない。メンタル面はすごく大事で、引きずっていたら次の試合にも影響する。切り替えの重要性を学んで、見習わないといけないと思いました」
同期入団で同じ大卒のドラフト2位・浦田、同3位・荒巻は1軍を経験。まだ見たことない舞台へ、思いは募る。
「早く自分も続きたい。やっぱり、悔しい思いがあります」
7月15日には大学時代を過ごした静岡で1軍公式戦が予定されており、凱旋登板のチャンスがある。今月16日には、くふうハヤテとのファーム交流戦(ちゅ〜るスタジアム清水)で登板したが失点。思うような投球ができなかったこともあり、3か月後、1軍の舞台でのリベンジに燃えている。
「行きたいです。まずは1軍に上がってちゃんと結果を残すことが優先。今回の2軍戦はいいところを見せられなかった。次は1軍に絶対上がって、しっかり抑えていいところを見せられるように頑張りたい」
1軍選手として故郷に錦を飾るため、胸の内に秘める熱い思いをマウンドでぶつける。
本当に野球が好きで、練習に取り組む姿勢がいい
入団当初はまだ、腕を振って捕手が構えているところに強い球を投げようとしているように見えました。プロの世界に入って、どうやって打者に攻めなくてはいけないとか、どうやってカウントを取ろうとか少しずつ考えられるようになってきました。
本当に野球が好きな選手で、練習に取り組む姿勢がいいです。自分で考えて個別練習をする姿を見ても、真剣に考えてやっているんだなと思います。武器は強気にゾーンに投げられるところです。左投手なので、1軍に上がるにはまず左の打者を絶対に抑えられるというところをアピールしていってほしいです。(山口鉄也・2軍投手コーチ)
◆宮原 駿介(みやはら・しゅんすけ)2002年9月12日、神奈川・小田原市生まれ。22歳。小1からソフトボールを始め、中学で小田原ボーイズに入り野球を始めた。静岡学園から東海大静岡に進学し、4年時に侍ジャパン大学代表候補合宿に参加。家族は両親と兄、妹、弟。174センチ、85キロ。左投左打。年俸800万円(推定)。