こどもまつり版【うちたまさや の ついきゅう】自分の役割を果たす

2025年5月3日(土)8時0分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神4—0ヤクルト(2025年5月2日 甲子園)

 試合に勝った後、阪神の藤川監督は「打線ですから。機能すると、こうなります」と話しました。「線」のようにつながったという意味です。

 打線のオーダーには打順ごとに役割があります。1番打者は塁に出る。2番は走者を進める。3〜5番はクリーンアップと呼ばれる「そうじ係」で、走者を本塁にかえすことが期待されます。

 6回裏の攻撃は各打者が自分の仕事を果たしました。先頭打者の1番・近本選手がライト前ヒットで一塁に出ました。ヒットは10打席ぶりです。藤川監督は「やはり、近本が出て、タイガースらしくなった」と得点パターンとみていました。

 中野選手は送りバントを決め、近本選手を二塁に進めました。送りバントは犠打と言って、自分はアウト(犠牲)になっても、チームのために走者を進める作戦です。

 森下選手はフォアボール。4番の佐藤輝選手がセンター前にヒットを打って、近本選手をホームにかえしました。0—0でしたので待ち望んでいた先取点でした。

 団体競技で自分の役目を果たすのは大切なことです。一般の社会でも通用する考え方です。

 藤川監督が現役のピッチャーだったころ、少年少女に向けた冊子で「プロ野球選手だからえらいわけじゃない」と話していました。「毎朝毎朝、仕事に出かけるお父さんやお母さんの方がずっとえらいと思います」

 プロ野球選手と同じようにお父さん、お母さんもがんばっています。それぞれの仕事場で役割を果たしているのです。

 それに、お父さん、お母さんには家族の中での役割もあります。

 今は5月。俳優・タレントのリリー・フランキーさんが書いた小説『東京タワー』には<五月にある人は言った>として次のようにあります。<どれだけ仕事で成功することよりも、ちゃんとした家庭を持って、家族を幸せにすることの方が数段難しいのだ>。ご自身の「オカン」や「オトン」が出てきます。

 家族がいっしょになることも多いゴールデンウイークです。野球を見ながら、幸せにすごせればいいですね。

 藤川監督も「子どもたちが来てくれるのをわれわれも楽しみにしています」と話しています。

 2日に始まった「こどもまつり」にあわせ、子どもたちやお父さん、お母さんに向けて書きました。 (編集委員)

スポーツニッポン

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