動きが異なったニッサンZ陣営の予選アタックタイミング。3号車高星明誠、24号車平手晃平の決勝への手応えと課題

2023年5月4日(木)9時22分 AUTOSPORT web

 富士スピードウェイで開催中の2023 AUTOBACS SUPER GT ROUND2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT450km RACE。GT500クラスの公式予選では決勝レースで使うタイヤを見越して投入していることもあってか、ウォームアップに4周を費やすなど、長めの時間をつぎ込む車両が多かった。


 しかし、そのなかでもQ1では3号車Niterra MOTUL Zが計測2周目、Q3では24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが計測3周目と、比較的早いタイミングでアタック。それぞれの狙いと決勝に向けた手応え、そして課題をアタックを担当した3号車の高星明誠と24号車の平手晃平に聞いた。


■「むしろ、こっちのタイヤをレースでも使いたいと思っている」と自信をみせる24号車平手


 ニッサン勢で唯一Q2に進出した24号車。GT500クラスのQ2は16時26分と遅い時間から始まり、気温・路面温度ともに下がり始めていた。それもあってか、計測5周目でタイムアタックを行う車両が大半を占めていたなか、24号車は計測3周目でタイムアタックを行い、1分26秒779をマーク。チェッカーまでの時間はまだ残っていたが、Q2担当の平手は早々とピットにマシンを向け、アタックを終了した。


 この流れからも当然、計測ラップが早めだとソフト傾向なタイヤを選んでいるのではないかという推測ができる。同じヨコハマタイヤユーザーである19号車WedsSport ADVAN GR Supraとは異なるタイヤを選択しているようで、平手によると「むしろ僕たちは、こっちのタイヤでレースもやりたいくらいでした」とキッパリ。24号車陣営としては“自信を持った選択”のタイヤのようだ。


「僕たちと(同じヨコハマタイヤユーザーの)19号車で選んでいるタイヤが違いますし、僕たちは朝の練習走行からロングランをして、こっちのタイヤの方が性能的にも良さそうだなと感じていました。予選を見るからに“ソフト”という感じだと思いますけど、このタイヤの方がピックアップもしないし、アベレージラップが全然速い。朝の段階から『このタイヤで行こう!』という雰囲気になっていました」と平手。


 ただ、Q1では別の種類のタイヤだったようで、決勝タイヤは「『どっちのタイヤが選ばれるのだろう?』と思うところはありましたけど、結果としてQB(Q2で使用したタイヤ)が選ばれたので、僕たちが欲しかったタイヤで明日はスタートできます」と続けた。


「今回は雨絡みのレースになるだろうという予報も出ていたので、我々も低温度レンジのタイヤを持ってきていましたけど、意外と高温になっても耐えてくれています。それがヨコハマタイヤとしても驚いたところですが、ワイドレンジで使えるタイヤでもあるという発見もありました。そういう意味で明日は楽しみですね」と、24号車にとって新たな発見もあったようだ。


 24号車は昨年8月に行われた富士スピードウェイでの第4戦では予選2番手からスタートし、決勝では3位表彰台を獲得している。それだけに、今回も450km勝負となる決勝レースでは、目が離せない存在となりそうだ。

予選5番手と上位フィニッシュが期待される24号車リアライズコーポレーションADVAN Z。Q2は平手晃平が担当した


■Q1での計測2周は狙い通りも「アタックのタイミングが早かったかもしれない」と高星明誠


 開幕戦の岡山では雨のなか2位表彰台を獲得した3号車Niterra MOTUL Z。午前中に行われた公式練習セッションでは、オイルの滲みが確認されたため、ピットでのチェック作業に時間を費やすことになってしまった。


 それでも、予選までに問題を解決するとQ1に高星明誠が乗り込んで出走。他車より2〜3分遅いタイミングでピットアウトし、今回の流れでは変則的とも言える計測2周目というかなり早いタイミングでタイムアタックに臨んだ。結果は1分27秒538で9番手となり、惜しくもQ2進出は叶わなかった。


「そもそも、その(計測2周目でアタックという)つもりはなかったのですけど、練習走行で走ったときに、それでもいけるという判断で予選もそうしました」と高星。アタック中もミスはなかったというが、反省点は少なからずあったという。


「良いアタックはできたと思います。ただ、遅くコースに出ていきましたけど、タイムを出すタイミングが早かったかなというのは反省点でした。もうちょっと待てば、みんなと同じタイミングでアタックができて、そうすればトラックインプルーブ(路面の良化)もあったのかなと思います」


 3号車はライバルよりも早いタイミングでペースを上げていたため、セクター3ではウォームアップ中の車両を抜きながらの走行となり、高星は「僕たちのタイミングがみんなより早かったのでそういうふうになってしまっただけ。別に引っかかってはいないし、みんなラインを譲ってくれたので、特に影響はなかったです」と振り返った。


 こちらも計測ラップが早い分、ロングランでのタイヤの持ちが懸念されるところではあるが、そこは「ご想像にお任せします」と高星。


「もちろん、僕たちにとってのメリットとデメリットはあるし、今あるものを最大限に活かそうとしたなかでの予選でした。それがレースに向けてどうなるか……(決勝での手応えは)可もなく不可もなくというところだと思います。ただ、岡山のドライコンディションでの雰囲気だと、周りはもっと速いだろうなという印象もあります。楽観視をせずに、もっと良い状態でレースに臨もうという気持ちで、準備をしていきたいです」と控えめに抱負を語った。


 3号車は当然、前回2位分のサクセスウエイトを搭載していることから今回は厳しい戦いが予想されていたが、450kmの長丁場のレースは何が起こるか分からない。うまくチャンスを見出すことができれば、上位進出の可能性も十分に出てきそうだ。

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