巨人・戸郷翔征に炊飯器をもらい一人暮らし…前巨人の変則右腕が新天地くふうハヤテで存在感

笠島尚樹

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◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

　昨年ウエスタン・リーグに参入したくふうハヤテで存在感を示しているのが、前巨人の笠島尚樹投手だ。最速１５１キロの変則右腕は開幕から先発ローテの一角を担い、６登板で防御率３・１６をマークしている。

　福井・敦賀気比高から２０２０年育成ドラフト３位で巨人入りも、４年間で２軍戦２７登板にとどまった。今季から加入したハヤテでの初登板は、開幕２戦目のオリックス戦（０●１）。５回１失点に「思ったよりやれるんじゃないか」と自信をつかんだ。ＮＰＢ２軍との対戦機会も多い環境に「楽しいっすね。本当の意味で、やっと野球ができている気がする」と充実感がにじむ。

　初の古巣対決となった４月１５日の巨人戦では先発して６回３失点。同期入団のティマ、秋広を擁する打線に粘った。「他のチームより投げにくかったです」と照れたが、元チームメートから「成長しているな」と声をかけられ「うれしかったですね」と喜びをかみしめた。

　環境は恵まれているとは言い難い。経費節約のため先発投手など一部を除きバス移動。広島戦では山口・由宇町まで片道８時間以上かかった。本拠地のスピードガンは静岡市の協力で今季から設置されたばかり。社会人チームの誘いを断り入団した右腕のハングリー精神を高めるには最適な場と言える。

　チームには寮もあるが、自身のコンディションを考えた上で、一人暮らしを始めた。現在でも親交の深い巨人・戸郷からは炊飯器を譲り受けたという。「まつたけのにおいが取れなくて買い替えるからあげる、ということでもらいました」。まだ２２歳。ＮＰＢでの再会も諦めていない。（野球担当・伊藤　明日香）

　◆伊藤　明日香（いとう・あすか）　２０１８年入社。レイアウト担当を経て２３年から静岡支局。マイブームはサウナ。