菅野智之、気迫の続投 初回わずか9球で3者凡退→初回終了後降雨で57分中断も続投 6回2失点で2敗目
2025年5月4日(日)9時34分 スポーツニッポン
◇ア・リーグ オリオールズーロイヤルズ(2025年5月3日 ボルチモア)
オリオールズの菅野智之投手(35)が3日(日本時間4日)、本拠でのロイヤルズ戦に先発。雨で初回終了後に57分の中断を挟みながら2回以降も続投し、6回4安打2失点、4奪三振と試合をつくるも2敗目を喫した。直近の4試合では3度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)となった。しかし、打線の援護なくチームは敗れて連勝が2で止まった。
危なげなく立ち上がった。初回は先頭のインディアをカットボールで遊ゴロに打ち取ると、続くウィットは外角へのカットボールで空振り三振。3番・パスクアンティノは内角高めへの直球で力ない三邪飛に仕留めた。初回に要した球数はわずかに9球。絶好のスタートとなった。
抜群の立ち上がりを見せた菅野に“不運”が襲い掛かった。初回を終え、2回の登板に向かう前、降雨が強くなり試合は中断。それでも57分間の中断後に続投した。先頭のガルシアには左前打を許したが、続くマッシーを二ゴロ併殺打。レンフローは左飛に打ち取った。3回は3者凡退。調整が難しい中、初回は9球、2回が6球、3回が9球と3回を24球で投げ終えるなど効率よくアウトを積み重ね、高い適応力を示した。
4回は先頭の1番インディアに二塁打を許すと2死後に4番ガルシアに中前適時打を打たれ、先制点を与えた。5回には先頭のビジオに右越えソロを被弾し、2点目を失った。
6回は先頭のインディアに四球。2死後にガルシアにも四球を与えて一、二塁とされたが、最後はマッシーを左飛に打ち取った。菅野は6回2失点と試合をつくったが、打線は最後まで得点を奪えず、菅野を援護できなかった。
メジャーの舞台でも代名詞の「安定感」が際立っている。メジャーデビュー戦の3月30日(同31日)のブルージェイズ戦こそ、脱水症状などにより両手がけいれんするアクシデントで4回4安打2失点。敗戦投手となったが、以降はローテの一角にふさわしい投球内容を続けている。
4月17日(同18日)のガーディアンズ戦、同23日(同24日)のナショナルズ戦では2試合続けて6回以上、自責点3以下のクオリティ・スタート(QS)を記録。前回登板の同28日(同29日)ヤンキース戦では、超強力打線を相手に5回無失点、自己最多の8三振を奪い、3勝目をマークした。
ヤ軍戦ではQSを記録した試合とは異なり、慎重に球数を使いながら、確実にアウトを積み重ねていくスタイルで先発としての責任投球回を投げ切り、チームを勝利に導いた。ブランドン・ハイド監督が「現代野球では“失われた芸術”のようになっている。だから新鮮に感じられる」と手放しで褒めるほどの投球術だった。