ACLE準優勝の川崎Fを中村憲剛さんが「誇りに思う」と称賛
2025年5月4日(日)15時52分 スポーツニッポン
◇アジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)決勝 川崎F0—2アルアハリ(2025年5月3日 サウジアラビア・ジッダ)
悲願のアジア制覇に挑んだ川崎Fは決勝でアルアハリに0—2で敗れた。サウジアラビアのジッダで決勝会場をホームとするチームを相手にした完全アウェーで前半に2失点して進撃を止められた。
川崎F一筋で18年活躍し、20年シーズン限りで現役を退いた元日本代表MF中村憲剛さん(44)は、後輩の奮闘ぶりを「感動した。誇りに思う」と称えた。
前身のACLで自身は「予選リーグ突破が目標だった」という07年のクラブ初出場でいきなり準々決勝まで進んだが、出場7回で最高成績は3度の8強。11度目の出場となった今大会の躍進を見て「隔世の感がある。歴史を塗り替えていく姿は頼もしく、うらやましくもあった」という。
引退後はトップチームとアカデミーをつなぐなど各部署の連携強化を図る「フロンターレ・リレーションズ・オーガナイザー(FRO)」を務め、今季は定期的にトップの練習に参加。長谷部監督の指導や試合を見て「戦い方自体が変わってきている」と感じていた。
「守備でしっかり相手を見定めた上でどう攻略していくかという形」。かつては主導権を握って攻撃的に戦っても最後の一線でしのがれ、致命傷を浴びるアジアの厳しさを味わった。今大会は従来のスタイルを継承しながら「自分たちがしっかり守備を構築することで相手が崩れるのを待つ戦いも選択できている」と指摘。「自分たちがどうアジアと戦うべきかというのが整った状態で今回はやれていた」と振り返った。
アジア王座は逃したが、大きな壁だった準々決勝を乗り越えて初めてたどり着いた決勝の舞台。「日程など本当にタフな戦いだと思うが、言い訳にせず泥臭く目の前の相手に絶対負けないという気持ちもベースに戦っていた。その姿に凄く感動した」と中村さん。悲願達成は持ち越しになったが、川崎Fにとっては今後につながる意義深い一歩になった。