川崎F 頂点届かず 完全アウェーで痛感した“個の力”の差...この涙がフロンターレを強くする

2025年5月5日(月)4時4分 スポーツニッポン

 ◇ACLE決勝戦 川崎F0ー2アルアハリ(2025年5月3日 サウジアラビア・ジッダ)

 川崎Fはアルアハリ(サウジアラビア)に0—2で敗れ、悲願のアジア初制覇を逃した。完全アウェーの中、圧倒的な資金力と個の力の前に準々決勝以降では初めてリードを奪われるなど前半に2失点し、後半の反撃も及ばなかった。サウジアラビアの政府系ファンドが保有し、国家を挙げて強化してきたクラブの一つでもあるアルアハリが集中開催された地元で初優勝を飾った。

 進撃が止まった。準々決勝から1週間で3試合。圧倒的な資金力を誇る中東勢を連破して初の決勝に進んだ川崎Fだったが、最後は完敗。脇坂主将は「チーム全員の力で決勝まで来て、一人一人の力でここでは勝てなかった」と漏らした。

 決勝会場をホームとするアルアハリを相手に5万8281人で埋まった完全アウェー。進撃を支えてきた守備が乱れた。前半35分に自陣の深い位置で奪われて先制を許すと7分後には左サイドバックの三浦がピッチ外で治療を受け、交代選手が準備している間に左を崩されて決定的な2点目を失った。

 長谷部監督は「私の決断も選手たちの対応も少しずつ遅れたり、ずれたりしたことが敗因になった」と振り返った。後半は盛り返して攻勢に出たが、枠内シュートがゼロのまま敗れ去った。

 2アシストのフィルミノは前リバプール。ACミランなどで活躍したケシエに目の前でヘディング弾を決められた高井は組織力だけでは補えない力の差を見せつけられ「圧倒的に個(の力)が足りない」と涙を浮かべた。それでも世界レベルの相手と戦ったことは大きな財産。脇坂は「全員でもう一度国内タイトルを勝ち取って絶対この舞台に帰ってきたい」と訴えた。「シルバーコレクター」から日本屈指の強豪となったフロンターレは涙を糧に強くなる。

 ≪J1優勝の3倍以上!!≫川崎Fは準優勝でも巨額賞金を手にする。参加賞金80万ドルに加え、1試合10万ドルの1次リーグ勝利給が6勝分。さらに決勝トーナメント1回戦で20万ドル、準々決勝で40万ドル、準決勝で60万ドルとなり、準優勝賞金の400万ドルを合わせると総額660万ドル(約9億5700万円)。J1優勝賞金3億円の3倍以上の金額だ。優勝賞金1000万ドル(約14億5000万円)は逃したが、奮闘したチームに報いる金額となった。

 ◆出場権 日本協会は昨季J1で3位の町田が来季ACLEに初出場すると発表。優勝なら出場権を得た川崎Fが決勝で敗れたため。昨季J1と天皇杯を制した神戸、J1で2位だった広島は出場権獲得済み。ACL2はJ1で4位だったG大阪の出場が決まった。

スポーツニッポン

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