広島・ファビアン16試合ぶり3号は初V弾!3連勝&今季関東での初勝利導いた
2025年5月6日(火)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島4—0ヤクルト(2025年5月5日 神宮)
広島のサンドロ・ファビアン外野手(27)が、5日のヤクルト戦(神宮)で来日初の決勝打となる先制3号ソロを含む3安打1打点と打線をけん引しチームを3連勝に導いた。今季9戦目にして関東での初勝利に貢献。投げては4年ぶりの先発登板となった高橋昂也投手(26)が3回無失点と好投し、2番手で2回無失点の鈴木健矢投手(27)が現役ドラフトで移籍後初勝利を挙げた。
ファビアンが、一振りで勝利を呼び込んだ。0—0の3回1死だ。小川が投じた内寄りシュートを左翼席へ。先制3号ソロは試合後、来日初の決勝打に昇華した。4月13日巨人戦以来、実に16試合、64打席ぶりの一発に満面の笑みを浮かべた。
「前の打席に同じような球でやられていたので今回はいいアプローチができた。甘く来た球を思い切って打っていこうと思っていたので、いい本塁打になって良かった」
初回1死一塁の打席では初球の内寄りシュートをファウルにし、2球目の低めスライダーを打ち上げて二飛に倒れていた。バットをたたきつけて悔しがったが、続く打席では第1打席で打ち損じた球を一振りで捉えた。連続試合安打を「6」に伸ばすと、5回2死でも左前打。さらに7回無死一、二塁でも相手2番手・田口から中前打を放ち、今季3度目の3安打猛打賞。打率・292から・305まで上昇し、状態は右肩上がりだ。
「こどもの日」に勝利の立役者となり、臨んだ敵地でのヒーローインタビューでは「子供たち全員おめでとうございます。野球選手になってください」と呼びかけ大歓声を浴びた。新井監督も「先制のホームランもその後の打席もいい打撃だった」と目を細めた。
豪快な打撃の原動力は、プライベートでの細心だ。来日後は外食を極力控え、自炊に取り組む。マイナー生活を送っていた20年、米国に母を呼んだ際に、食事の重要性を説かれたことがきっかけだ。
「米国のご飯はハンバーガーとかジャンクフードが多い。“栄養は大事だから”と言われ、お母さんに料理を教えてもらった。そこからご飯は、お母さんに教えてもらったのを自分で作っている」
大好物は焼き肉で、肉料理中心。ただ野菜も欠かさず、バランスを心がけている。母国のドミニカ共和国の家庭料理で「モロ」という豆を使用した炊き込みご飯や、ヤギ肉を使った料理にも挑戦中。異国での生活は、「おふくろの味」に支えられている。
F砲の連日の活躍もあって、チームは3連勝。関東での今季初勝利を挙げ、4月29日以来6日ぶりの貯金生活に入った。満を持して“鯉のぼり”を再開する。 (長谷川 凡記)