「試合前のブルペンに入れなかった」能見篤史氏が語るオリックス投手陣のすごさとは
2023年5月7日(日)11時30分 ココカラネクスト

WBCでは大谷に対しても積極的に関係性を深めた宮城(C)Getty Images
昨季限りで現役を引退した元阪神・オリックスの能見篤史氏が4月18日までに更新された古田敦也氏が野球について様々なことをゲストと語り合うYouTubeチャンネル「フルタの方程式」に出演。
昨年まで兼任コーチとして選手を指導した同氏がオリックス投手陣のすごさについて語った。
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多様な戦力揃いのオリックス投手陣の中でも、エースとしてチームの大黒柱となっているのが山本由伸投手だろう。
今春行われたWBCでは侍ジャパンメンバーにも選出され、今や日本球界トップと言っても過言ではない存在だ。
そんな山本だが、意外にも自身初の開幕投手を務めたのは2年前の2021年シーズン。
ちょうどこの年、オリックスへ兼任コーチとして移籍してきた能見氏は、大舞台を前に「由伸クラスでもガッチガチに緊張していましたね」と、エースの舞台裏の様子を明かす。
「ブルペンから力みまくっていて、ボールの質も悪かった。『これダメだなって』思いましたね」
調子の悪さから試合前にアドバイスを送ろうとしたものの、それゆえさらに調子を崩してしまうことを懸念した能見氏は、口出しをしないことに。
後日その旨を山本に伝えたところ「言ってくださいよ」と言われたというが、この点をふまえて山本のすごさについてこのように語る。
「彼は頭の中がスポンジみたいで、どんなことでも一度受け止めるんです。いやそれは違う、と跳ね返さないんですよね。これだけの成績を残しても謙虚な姿勢はずっと変わらない。野球に対しての真剣な取り組み度がすごいんだなと思いましたね」
一方、山本と同じくWBC戦士として戦い、知名度も急上昇、人気も高まっている宮城大弥投手についても語った。
宮城自身が尊敬する人物として名をあげ、現役時代から「師弟関係」として注目されることが多かった2人。
身長171cmと小柄な体格ではあるものの、「ボールの勢いは半端なく強い」と、その球威を絶賛する能見氏。
加えて、「柔軟性がすごくあるし、器用。得意のスライダーも曲がり幅が大きい。兼任コーチ時代試合前のブルペンで打席に入って球をチェックしていましたが、宮城だけは抜けそうで怖くて入れませんでした。それくらいボールの質が強かったですね」と、その実力を認める。
さらに、能見氏が「本当にいいピッチャー」と語るのが、山崎福也投手だ。
この山崎について、短期決戦時は打てないと口にするが、その理由をこのように話す。
「彼は本物のチェンジアップを投げるピッチャーなんです。だから、真っ直ぐにしか見えないし、初見では打てない。あとはクイックもできるしフィールディングも上手いんですよね」
実際昨年ヤクルトとの日本シリーズでは第2戦、第6戦と2試合に先発し、通算9イニングを無失点と、得意のチェンジアップを武器にヤクルト打線を抑え込んだ。
加えて、バッティングにも定評がある山崎に対し、「嬉しそうに打席に打席に入って行くんですよね」と、ピッチング以外の一面を語る場面も見られた。
今季はリーグ3連覇、日本一連覇を目指すシーズンとなる。チームのストロングポイントである投手陣の活躍に引き続き、注目が集まりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]