33歳マルティネスが井岡一翔を返り討ち「全てを出し切った」第10Rでダウンも判定3―0防衛 無敗守る
2025年5月11日(日)21時15分 スポーツニッポン
◇プロボクシング WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)<12回戦>同級6位井岡一翔(志成)(2025年5月11日 東京・大田区総合体育館)
王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)が前WBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(36=志成)を返り討ちした。昨年7月の王座統一戦で3—0と判定勝ち。ダイレクトリマッチでも判定3—0で勝利しリング上で歓喜した。井岡は連敗で長谷川穂積の35歳9カ月を上回る日本人男子最年長36歳1カ月での世界王座奪取はならなかった。
完全アウェーの舞台で、ここまで17戦全勝のマルティネスが井岡を倒し無敗を守るとともに、王座も堅持した。終盤に失速する中での激闘判定勝利。114−113、115−112、117−110の3—0のジャッジを聞くと井岡の手を掲げ健闘を称え合った。そしてリング上のインタビューで「井岡も私も全てを出し切りました。井岡選手は前回に比べて大変練習を積んできた。その成果が見て取れました。凄く練習してきたと思います。凄くプレッシャーを与えられました。しかし、私も良い練習を重ねてきたので本当に強い2人がこのリングの中ですべてを出し切ったと思います」「会場の皆さんにはこの激闘に満足してほしいとい思います」と真剣な表情で語った。
第1ラウンドのゴング早々から左を中心に圧力をかけたマルティネス。左のフックとアッパー、ショートのジャブを上下に打ち分け主導権を奪った。
第2ラウンドも圧力を弱めず、右の打ち下ろしやボディーなど強烈なパンチを打ち込む。井岡の左カウンターを被弾する場面もあったが、前進し続けた。
中盤は少しペースが落ち着いた中での攻防。しかし、第6ラウンドで強烈な左右のラッシュで井岡をロープに追い込んだ。このラウンドは右の強打が何度もヒット。第7ラウンドは左右のフック連打を見せ井岡のボディーとガードの上から来る右ストレートに応戦した。
終盤に流れが完全に変わった。第9ラウンド。マルティネスから仕掛けるも、井岡のボディーで動きが止まる場面も。第10ラウンドには井岡の強烈な左フックを食らいダウンした。厳しい表情で立ち上がったマルティネスだったが、明らかに動きが鈍くなり、フルラウンドの激闘は判定決着となった。