GTPの2勝目一番乗りはキャデラック。ブルデー&バン・デル・ザンデ組がラグナ・セカを制す/IMSA

2023年5月15日(月)17時55分 AUTOSPORT web

 5月14日、アメリカ・カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカにてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第4戦『モチュール・コース・ドゥ・モントレー・パワード・バイ・ヒョンデN』の決勝レースが行われ、キャデラック・レーシングの01号車キャデラックVシリーズ.Rが優勝。セバスチャン・ブルデー/レンガー・バン・デル・ザンデ組が2023年シーズン初勝利を飾った。キャデラック陣営の優勝は3月に行われたセブリング以来、2度目だ。


 デイトナ24時間に始まり第2戦セブリング12時間、100分のスプリントで争われたロングビーチに続く第4戦ラグナ・セカは、今季初めて行われるシリーズの“スタンダード・フォーマット”2時間40分のセミ耐久スタイルで争われた。


 決勝日朝のラグナ・セカは一面霧で覆われたが、スタート予定時刻の正午過ぎに向けて霧は晴れ、快晴の下ドライコンディションでのレースに。2周のフォーメーションラップ後にレースの火蓋が落とされると、前日に行われた予選でフロントロウを独占したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ勢が、直後のターン1でともにポジションを失ってしまう。2番手スタートとなった7号車ポルシェ963がブレーキングでロックアップし、姉妹車6号車も煽りを喰らったかたちだ。


 3番手からスタートした60号車アキュラARX-06(メイヤー・シャンク・レーシング)は、ポールシッターの6号車ポルシェ963に代わってトップに立ったが、スタートから約30分後に訪れたコーション中のピットストップで順位を落とす。以降31号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・エンジニアリング・キャデラック・レーシング)が新しいレースリーダーとなり、これに25号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームRLL)、01号車キャデラックが続き60号車は5番手で中盤戦に入っていった。


 スタートから58分後、8号車オレカ07(タワー・モータースポーツ)のアクシデントによって導入された3度目のFCYタイミングでふたたびGTPクラス全車がピットへ。ここでは60号車アキュラが最速となり隊列の先頭にカムバックする。2番手以下には31号車キャデラック、10号車アキュラARX-06(コニカミノルタ・アキュラARX-06)、6号車ポルシェ、25号車BMWと続くオーダーに。


 リスタートは約20分後。2番手に順位を下げた31号車が激しく60号車を攻め立てるなか、後方で25号車BMWをかわし僚友6号車に襲いかかっていた7号車ポルシェが、コークスクリュー直後のターン9でコースを外れる。幸いリタイアとなるクラッシュには至らなかったが、右サイドをウォールにヒットしカウルにダメージを負ったためピット作業は免れなかった。


 この間に60号車はデラーニ駆る31号車にかわされ2番手に後退。その後コリン・ブラウン駆るアキュラは、立て続けにライバルのオーバーテイクを許しクラス7番手まで順位を落としてしまう。一方、2度目のピットタイミングで3番手から7番手に順位を落としていた01号車キャデラックは、バン・デル・ザンデの猛追により2番手までポジションを回復してきた。レース残り1時間の時点で首位31号車とのギャップは20秒だ。

JDCミラー・モータースポーツの5号車ポルシェ963(左)とメイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアンの60号車アキュラARX-06(右) 2023年IMSA第4戦ラグナ・セカ
トップチェッカーを受ける01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング) 2023年IMSA第4戦ラグナ・セカ


■JDCミラーの真新しいポルシェ963、デビュー戦で上々の7位完走


 レース終盤、右リヤのサスペンション破損によりストレート脇でストップした12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)の回収作業のため、このレース4度目のコーションが導入される。残り時間40分となったところでリスタートが切られると、今度は01号車がアレクサンダー・シムズ駆る首位31号車を強襲しターン3でトップを奪った。


 チップ・ガナッシのキャデラック01号車がそのまま後続を引き離しにかかる一方、アクション・エクスプレスの31号車は6号車ポルシェにも攻略され3番手に後退した。ニック・タンディ駆る6号車はレース最終盤に首位と2.4秒差のところまで迫ったが、バン・デル・ザンデはこれを突き放す。スタートから2時間40分後、102周目に01号車がトップチェッカーを受けた。トップ3オーダーは直前の状況から変わらず。4番手に10号車アキュラ、5番手に24号車BMWが続いている。


 このレースがデビュー戦となったJDC・ミラー・モータースポーツの5号車ポルシェ963は、トップと同一周回でレース走りきり総合7位入賞を果たした。


 LMP2クラスも目まぐるしくトップが入れ替わるなか、ベン・キーティングのドライブで序盤戦をリードした52号車オレカ07(PR1マティアセン・モータースポーツ)や、各車が2度目のピット作業を終えた後にトップに立った04号車オレカ07(クラウドストライク・レシング・バイ・APR)を退けた、TDSレーシングの11号車オレカ07(スティーブン・トーマス/ミケル・イェンセン組)がクラス優勝を飾った。周回数はGTP勢と同じ102周を数えている。


 GTカテゴリーでは、同シリーズでたびたび起きるGTDプロとGTDの“逆転現象”が発生。プロ・アマカテゴリーであるGTDの上位陣がGTDプロカーに先んじてチェッカーを受けている。


 GTDクラスを制したケリーモス・ウィズ・ライリーの91号車ポルシェ911 GT3 R(アラン・メトニ/ケイ・バン・ベルロ組)は、ストラテジーを駆使してレース中盤に上位に進出すると、スタートから2時間過ぎに首位を走る44号車アストンマーティン・バンテージGT3(マグナス・レーシング)に勝負を仕掛けオーバーテイクに成功する。その後は後続との間にマージンを作り、ターナー・モータースポーツの97号車BMW M4 GT3を9.6秒後方に追いやる快走でトップチェッカーを受けた。クラス3位はケリーモスのもう一台92号車ポルシェ911 GT3 Rだ。


 オールプロのドライバーラインアップが認められているGTDプロは、ウェザーテック・レーシングの79号車メルセデスAMG GT3エボ(ダニエル・ジュンカデラ/ジュール・グーノン組)が優勝。14号車レクサスRC F GT3がクラス2位を得ている。ポールポジションからスタートした9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)は、序盤のドライブスルー・ペナルティが響き3位に。


 23号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)と3号車シボレー・コルベットC8.R GTD(コルベット・レーシング)はさらに重いペナルティを受けた。2台には4回目のコーション時に不適切なウェーブバイを行ったとして、2分50秒のストップペナルティが課せられたのだ。クラス首位、2番手を走っていただけに痛すぎる失態となった。


 ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第5戦は、6月25日にアメリカ・ニューヨーク州のワトキンス・グレンで開催されるグレン6時間だ。

ウェザーテック・レーシングの79号車メルセデスAMG GT3エボ 2023年IMSA第4戦ラグナ・セカ
TDSレーシングの11号車オレカ07・ギブソン 2023年IMSA第4戦ラグナ・セカ
ケリーモス・ウィズ・ライリーの91号車ポルシェ911 GT3 R 2023年IMSA第4戦ラグナ・セカ

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