【玉ノ井親方 視点】琴桜は復調の兆しが見える気迫の相撲だった

2025年5月16日(金)20時43分 スポーツニッポン

 ◇大相撲夏場所6日目(2025年5月16日 東京・両国国技館)

 琴桜に復調の兆しが見えてきた。

 先手は尊富士に取られたものの、相手のペースに持ち込まれるのを許さなかった。押されても我慢して耐えた。苦し紛れに尊富士が、呼び込むように投げを打った時にも体が付いていった。そして左手で相手の足をサッと払うようにして横転させた。大関の反射神経の良さとうまさが感じられる左手の動きだった。

 尊富士が強引な投げにいったのも、それだけ琴桜に圧力があったからだ。

 右で命綱の下手をしっかりつかんで離さなかったことも大きかった。もし下手を取っていなかったら、そのまま投げられていた可能性もある。

 危ない相撲だと感じたファンの人もいただろうが、最後まで相手に食らいついていこうとする気迫が伝わってくる一番だった。

 序盤の2敗は残念としか言いようがない。ただ、体はどこも悪くないのだから、気持ちさえしっかりしていれば問題はない。この日のように勝利への執念が見える相撲を取り続けていれば、調子は上がってくる。大の里と伯桜鵬が全勝で走ってはいるが、横綱や琴桜が自分の相撲を取り切れるようになれば、土俵は締まる。(元大関・栃東)

スポーツニッポン

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