ハミルトンが悪夢の予選から大きく挽回。12番手から今季ベストの4位「ティフォシの皆、ありがとう。最高の気分だ」
2025年5月19日(月)17時35分 AUTOSPORT web

2025年F1エミリア・ロマーニャGP決勝で、フェラーリのルイス・ハミルトンは4位でフィニッシュ、移籍後ここまでの最高位を、チームのホームグランプリで達成した。シャルル・ルクレールは6位だった。
フェラーリは今回、アップデートコンポーネントとして、リヤコーナー、リヤウイング、ビームウイングを申告。しかし予選で苦しみ、ルクレール11番手、ハミルトン12番手と、2台揃ってQ2で敗退した。
しかしフェラーリは、決勝で大きく挽回、ダブル入賞を成し遂げた。
ルクレールはミディアムタイヤでスタート。2周目には9番手に上がり、10周目という早いタイミングで1回目のタイヤ交換を行い、ハードタイヤを履いた。29周目にバーチャルセーフティカーが導入されたため、ルクレールは再度ピットに入り、2回目のタイヤ交換でハードタイヤを装着。長いファーストスティントを走ったドライバーたちに対して、ルクレールは時間をロスし、10番手となったが、そこからアストンマーティン勢、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)をかわし、6番手に浮上した。
46周目、セーフティカー出動に伴い、1回ストップのみで前を走っていたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)とハミルトンがピットイン。ルクレールは4番手に繰り上がったものの、終盤、フレッシュタイヤで追いついてきたハミルトンとアルボンに抜かれ、6位に落ちた。
ハミルトンはハードタイヤで12番グリッドからスタート、1周目にアントネッリに抜かれ、ファーストスティントの間、パスすることができないまま、1秒以内の差で走り続けた。
バーチャルセーフティカー導入時に同時にピットイン、その後、ハミルトンはようやくアントネッリをかわし、5番手に浮上した。セーフティカー出動時に2回目のピットストップを行い、フレッシュなハードタイヤでリスタート。最終スティントを7番手から始め、良いペースを発揮し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、アルボン、ルクレールを抜いて4位でフィニッシュした。
ハミルトンは、インラップ走行中に無線で、チームに感謝するとともに、「Grazie a Tutti(イタリア語で「みんな、ありがとう」)。ティフォシのみんなも、ありがとう。彼らのために頑張った」というメッセージを発した。
■ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリHP)
決勝=4位(63周/63周)
12番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム→ハード
「ティフォシの前で今日、そして今週末走れたことは、今年ここまでで最高のハイライトだ。今季僕たちはマシンに苦しみ、特に予選で苦戦してきたため、大きなプレッシャーがのしかかっていた。だからこそ、力強いレースをしてポジションを上げることができたことを、うれしく思っている」
「レースのなかでこれほど順位を上げることができたのは、いつ以来か思い出せないほどだ。昨年一度あったかもしれないが、フェラーリに来てからは初めてのことだ。今日はついにマシンとの一体感やシナジーを得て、前進できた。最高の気分だよ」
「マシンのセットアップに関して、素晴らしい感触を持った。チームもストラテジストも、ピットストップや戦略の判断に関して、とても良い仕事をした。フェラーリとして総合的に最高の仕事をしたと思う」
■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリHP)
決勝=6位(63周/63周)
11番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード→ハード
「物事がうまくかみ合わないレースも時にはある。そして今日は、まさに僕にとってそういう日だった。バーチャルセーフティカー(VSC)とセーフティカー(SC)のタイミングが、本当についてなかった。最初のVSCでは全く恩恵を受けられず、SC時には適切なタイヤが手元になかった。でもその点については後悔はしていない」
「週末全体を通してどれほど難しかったかを考えれば、6位という結果はそれほど悪くはない。ただし、これは僕たちが目指している結果ではない。僕たちは、予選パフォーマンスの改善に焦点を置いて取り組んでいくべきだ。決勝ではマシンに速さがあるのだから」
「次はモナコだ。厳しい週末になるだろう。あのサーキットは僕たちのマシンの弱点をあぶり出すだろう。かなり特殊なコースで、他のどことも違う形でマシンを走らせなければならない。だからこそ、その特徴をうまく生かし、可能な限り最高の結果を持ち帰りたいと思っている」