横転クラッシュのヌービル「ペースノートが楽観的すぎた」/WRC第4戦ポルトガル デイ1後コメント
2021年5月22日(土)14時28分 AUTOSPORT web
5月21日、WRC世界ラリー選手権第4戦ポルトガルはデイ1のSS1〜8が行われ、多数のアクシデントや波乱が巻き起こるなか、ヒュンダイのオット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)が初日首位に立っている。そんなラリー・ポルトガルのデイ1を終えた各陣営からドライバーコメントが発表された。
■Mスポーツ・フォードWRT
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)/デイ1総合7番手
「先週末のテストには本当に懸命に取り組んだ。そこで考えついたアイデアのおかげで、クルマが生き生きとしているようだった。本当にうれしいことだ。SS2ではタイヤが少しオーバーヒートしているように感じたから労わるようにしたけれど、ところどころで慎重になりすぎたのは明らかだ」
「SS3でのパンクは残念だったよ。それがなければ表彰台はそれほど遠くなかったはずだからね。でも僕たちは集中を継続して進み続けることができた。自分のドライビングと、これまでに達成したことに満足している。1日の半分はステージタイムでトップ3に入ることができたのでポジティブに考えているよ」
「クリス(・パターソン/コドライバー)がクルマに乗り込んですぐ、僕が間違った方向に進んでいることや、変えるべきことを教えてくれた。そうした領域に懸命に取り組んできたけれど、(その甲斐あって)すべてがはるかに良くなっているようだよ。進歩は僕が予想していた以上に早いので、そのことを楽しんでいるんだ」
●アドリアン・フルモー(フォード・フィエスタWRC)/デイ1総合8番手
「今朝のループはとても良かった。楽しめたし、マシンの挙動も素晴らしく、本当に面白かったよ。でも僕たちはここに学ぶために来ているから、そのことに集中し、良い方向へ進み続けた」
「午後はまたしてもチャレンジングだった。さらなる新しい経験だ。道路が轍だらけだったことに驚いたし、パンクするのではないかと心配していた。でも、1日の全体を見てみれば、自分のステージタイムとドライビングにはとても満足している」
「SS7のタイトになるコーナーでは、リヤホイールが埃に足を取られ、大きくスピンしてしまった。パンクしただけで、マシンには大したダメージがなくてラッキーだったよ。むしろすべてが順調だった。土曜日も良い1日にして、さらに経験を積みたいと思っているんだ」
■ヒュンダイ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイリタイア
「残念なことだが、SS7のペースノートの内容が楽観的すぎたためにリタイアせざるを得なかった」
「(進入スピード)速すぎてしまい、コーナーを目にしたときに(ラインを)修正しようと試みたけれど、木の切り株のようなものがあり、それのせいでクルマが横倒しになってしまったんだ」
「正直がっかりだよ。朝のスタートは出走順は2番目だったけれど本当に順調だったからね。目標は間違いなく優勝を賭けて戦うことだった」
「SS7まではしっかりと計画どおりにすべてが進んでいたんだ。ロードセクションで修理に全力を尽くしたけれど、残念ながらサスペンションが壊れていた。今日はそれでゲームオーバーとなってしまった」
●オット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ1総合首位
「決してトラブルがないわけではなかったが、ラリーの首位に立っていることはポジティブなことだ」
「グラベルロードでマシンからできる限り最高の力を引き出そうとしたけれど、厳しい1日だった。何度かステージ優勝を飾ったけれど、まだ改善の余地があると感じた」
「午後の走行では、タイヤを労りより良い感触を見つけ出そうとしていた。だが、SS5でのパンクのせいで選択肢が限られてしまったから、1日をやり遂げることに集中したよ。ファンの前でのラリーにまた戻ることができたのは素晴らしいことだったね」
●ダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)/デイ1総合3番手
「WRCマシンに戻ってきて、ラリーを楽しんだよ! 新しいコドライバーのボルハ(・ロサーダ)とともにこのポルトガルのステージをね。何人か観客を目にすることができたのも素晴らしかったね。彼らはこのラリーの重要な一部だ」
「午前中のループは順調で、出走順のアドバンテージを活かして何度かステージ優勝を果たした。クルマの挙動も良かったよ」
「しかし、残念ながら午後はとても過酷になった。SS7ではエンジンがストールし、首位の座を失ってしまった。また、タイヤ関係のトラブルもあった。スーパーSSではっきりとそれが分かったので、あれ以上はプッシュできなかったんだ」
「今日の順位には満足しなければならない。土曜日にはさらに一貫性のあるパフォーマンスを発揮することを目指すよ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合5番手
「いつもと同じように、今日もほとんどのステージを出走順トップで走った。もちろんベストを尽くしたが、どのステージでもタイムを失ってしまったね」
「幸いにも午後のSS7ではベストタイムを獲得したが、ルーズグラベルが多く、グラベル自体も乾いていて、今日走った中ではもっとも路面がダーティなステージだったので、まさかベストタイムを獲れるとは思っていなかったよ」
「出走順がずっとトップだったので、他の選手よりもタイヤを温存することができたのかもしれませんし、ライバルの多くがトラブルに見舞われたことも、良いタイムを出すことができた理由のひとつだと思う」
「状況は少し良くなり、少なくとも表彰台争いをできるところまでは戻って来ることができた。まだまだ上を狙うことはできると思うし、明日はもっとも長い1日で、しかも私の前に出走するクルマが何台かあるので、少し面白くなりそうだ」
●エルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合2番手
「長く、厳しい1日だった。新しいグラベルタイヤに慣れ、正しい選択をするのは簡単ではなかったよ」
「今朝は路面がかなり湿ってたが、ソフトタイヤの本数には限りがあった。そのためハードタイヤとミックスして装着することも多く、それもあって完全に自信を持って運転することができなかったんだ」
「しかし、他のクルマが見舞われたようなトラブルを回避できたこともあり、非常に良い順位で1日を終えることができた」
「午前中はやや安定性に欠け苦労したが、午後になると少しずつ良くなっていったので、クルマに微調整を施し明日は優勝争いに挑むよ。きっと難しい1日になると思うけど、とても楽しみだ」
●カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)/デイ1総合6番手
「全体的にはかなり難しい1日だったけど、そのなかで良いタイムを出すこともできた」
「朝の時点では、クルマのセットアップが自分に合っていないと感じていた。このようなコンディションで、新しいタイヤを履いてまだ充分な距離を走っていなかったので、方向性を掴めていなかったんだ」
「しかし、何を変えればいいのかが段々と見えてきたので、午後のステージに向けてセットアップを変更したところ良くなった。だが、タイヤに問題が発生したこともあり、タイムをロスしてしまった。それでも、1日を走り終えセットアップの方向性を理解できたので、明日はもっとうまく行くと思うよ」