ソフトバンク・山川 執念先制犠飛!24打点でリーグトップタイ浮上「カウントの進め方は良くなっている」
2025年5月22日(木)6時0分 スポーツニッポン
◇パ・リーグ ソフトバンク1—2日本ハム(2025年5月21日 エスコンF)
ソフトバンクは0—0の2回1死二、三塁、7番に下がっている山川穂高内野手(33)が先制の中犠飛。打率2割前後を行き来する不振の中、昨季本塁打、打点の2冠王は24打点でリーグトップタイに浮上した。ただ、1—1の9回1死満塁、5番手の大山凌投手(23)がサヨナラ打を浴びる逆転負けで連勝は3で止まり、勝率は5割へ逆戻り。首位・日本ハムとのゲーム差は3・5と広がった。
7番打者の山川が、威厳を保った。昨季の本塁打、打点の2冠王が試合を動かした。
「犠飛って個人的に難しいんで。それでも軽めに振って最低限のことはできました」
0—0の2回1死二、三塁で日本ハム先発・北山の3球目カットボールをじっくりと呼び込んで教科書通りのセンター返し。きっちりとバットの面で捉えた打球は先制の犠飛となった。20日の日本ハム戦での9回2死一塁での最終打席にライナーで中前打。試合後にはバットを持参し帰宿。バスまでは軽くスイングしながら移動していた。「まあ、部屋でちょこちょこは振りました」。いいイメージを植え付けたまま、翌日の1打席目にチーム打撃で仕事をした。
この日は、2打数無安打、1打点。それでも2試合ぶりの打点で24打点とし、日本ハムの万波、レイエスと並んでリーグトップに浮上した。「僕がこんな状態であっても(打点)トップにいるのは悪くないですね。あとはチームを勝たせる打点ですね」。追加点を狙ったが北山の前に2打席連続三振に終わった。ただ、いずれもフルカウントまで粘った凡退。今後につながる、プラス材料とみている。
「カウントの進め方は良くなっています。あっさりとは終わらなくなっていますよね。その意味では、球を見ることができています」。打率こそ5月14日西武戦以来の1割台となる打率・199に戻ったが、前向きに捉える。試合後はバットは持っていなかった。
8本塁打もリーグ2位。小久保ホークスの不動の4番だった男は、15日の西武戦から7番へ打順を下げている。「本塁打、打点にこだわって打率でバランスを取らないと僕らしくなれないですよね」とある程度の安定感が戻らなければ、復活とは感じないようだ。
チームはサヨナラ負けで、連勝は3でストップ。1日で貯金はなくなり、首位日本ハムとも3・5差に戻った。ただ、山川の感触が上昇気配なのは好材料だ。「パチっと合ってきたときに、うまく状態をはめていく。さらに打点をアプローチしていきたい」。自身もチームも苦境は続くが、背番号5は打破しようともがいている。(井上 満夫)