“投壊”しかける陣容にメスを入れるべきか 首脳陣も頭を抱えるド軍の台所事情で浮上する「トレード候補」とは?

2025年5月23日(金)11時30分 ココカラネクスト

ドジャース投手陣の救世主候補としてリストアップされる菅野とアボット。(C)Getty Images

 誰もドジャース投手陣がここまでの“緊急事態”に陥るとは想像していなかったはずだ。

 ワールドシリーズ連覇が「絶対目標」と位置付けられた“銀河系軍団”ことドジャースは開幕前に大型補強を展開。とりわけ投手陣へのテコ入れは熱心で、2度のサイ・ヤング賞受賞歴を誇るブレイク・スネルを筆頭に、佐々木朗希、タナー・スコット、カービー・イェーツなど矢継ぎ早に交渉締結をさせてきた。

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 山本由伸、タイラー・グラスノー、クレイトン・カーショウら現有戦力を考えれば、“過剰”とも言える補強を展開したドジャース。当然、一部の識者やファンからは「戦力不均衡」を理由に不満をぶつけられたわけだが、それだけワールドシリーズ連覇に向けた強い覚悟を示したとも言えた。

 しかし、蓋を開けてみれば、故障者が続出。まともに戦力が保たれていないのが、現実となっている。とりわけ先発投手陣が置かれた状況は深刻で、ローテーションの軸と考えられたスネル、グラスノー、佐々木が中長期の負傷者リスト入り……。それぞれが具体的な復帰に向けた目途も立っていない。

 中継ぎ陣を含めれば、現時点で14人が戦線を離脱する異常事態。チーム強化を取り仕切るアンドリュー・フリードマン編成本部長が、米メディア『Dodgers Nation』で「本当に難しいことがたくさんある。まるでもぐら叩きのようだね。次から次へと課題が浮かび上がる」と思わずため息を漏らすほどの深刻さである。

 そうしたドジャースの状況からトレード補強の話題も白熱している。すでにさまざまなメディアが“候補者”の名前をリストアップ。移籍する可能性を論じているのだが、その中には35歳のオールドルーキーも含まれている。オリオールズで回答を続ける菅野智之だ。

 今季からメジャーリーガーとなった菅野は、不振のチームとは裏腹に開幕から好調をキープ。現地時間5月21日時点で10先発して4勝(3敗)。2シームやスイーパーを軸とした多彩な投球術で打者を翻弄し、防御率3.07、WHIP1.02と抜群の安定感を誇っている。

 オリオールズと1年契約を締結した菅野は、ドジャースにとっても興味深い補強候補となる。米メディア『Clutch Points』は「スガノは今夏のトレード市場において要注意人物だ」と断言。「彼は非常に安定した存在であるため、競合球団は彼の出番について尋ねるだろう」とトレードの可能性を分析した上で、こう続けている。

「多くの先発投手の駒を欠くドジャースのようなチームにとって、スガノは手堅いオプションの一つになり得る」

 さらに同メディアは、レッズの左腕アンドリュー・アボット、アスレチックスの左腕ジェフリー・スプリングスの名もリストアップ。ビッグネームを避け、実現性の高い手堅い予想に終始しているが、「とにかくドジャースはあらゆる選択を検討しているのは間違いない。彼らには資金的な余裕もある」と結論付けている。

 果たして、ドジャースは苦しい投手陣にメスを入れるのか。「十分な投手層の厚さというのは、追い求めても無駄なものだ。十分な選手層とは何なのか。それは愚問だ。正直言って答えはわからないが、投手層の厚さは常に多い方がいい」と語るフリードマン編成本部長を筆頭する敏腕首脳陣たちの決断が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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