広島ドラ1・佐々木 プロ初安打&初マルチ「狙い球ではなかったけど振り切って結果出たので良かった」
2025年5月23日(金)5時0分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島2−2ヤクルト(2025年5月22日 マツダ)
広島のドラフト1位・佐々木泰内野手(22)が22日のヤクルト戦で、プロ初安打を含む2安打をマークした。
2試合続けて「7番・三塁」で先発出場し、守備でも軽快な動きを披露した。1点を追う8回にはエレフリス・モンテロ内野手(26)が同点二塁打を放ち、延長戦に持ち込んだが、チームは4時間32分の激闘の末、今季2度目の引き分け。首位の阪神が巨人に敗れたため、ゲーム差は0・5に縮まった。
佐々木にとって、初ものづくしの一日となった。1—1の2回2死で迎えた第1打席。小川の初球、112キロカーブを捉えて右翼線二塁打。プロ4打席目での初安打に、拳を突き上げて喜んだ。
「狙い球ではなかったですけど、振り切って、結果が出たので良かった。うれしかったというのが一番」
6回2死で迎えた第3打席は、再び小川から、今度は141キロ直球を中前打。デビュー戦となった20日の同戦は3打数無安打に終わり悔しさをにじませたが、初のマルチ安打で2試合連続の先発起用に応えた。同点の8回2死二塁では、木沢に3球で追い込まれながら、5球連続ファウル。食らいついたが、8球目の外角カットボールで空振り三振を喫し、唇をかんだ。
「チャンスの場面で三振してしまいましたし、ああいうところで打ってこそ一流の打者」
2—2の延長11回無死一、二塁で迎えた第5打席ではプロ初の送りバントを試みたが、二塁走者が三塁で封殺される捕ゴロ。課題も垣間見えた。
「(犠打を)決めきっていたら取れて(勝てて)いた試合だったので、一番反省すべき点」
球団史上最多タイの9投手が起用された4時間32分の激闘で、さまざまな経験をした。三塁守備では、4回2死一、二塁で北村拓の弱いゴロをランニングスローでアウトにするなど、軽快な動きを披露。新井監督は「打つだけじゃなく、守備の方でもいいプレーもあった。走攻守、全ての面で攻めていっている」と評価した。
父・貴さん(63)が岐阜県大垣市内で営むスチール製品製造会社の工場の跡地が佐々木の原点の場所だった。「野球をやるならとことん真剣にやれれば」と貴さんが2日かけて施工。ピッチングマシンとともに、特設の練習場をサプライズプレゼントしてくれた。そこで小学2年の頃から中学卒業まで毎日汗を流してきた。佐々木は「暇があれば小学生、中学生の時は常に練習場でやっていた。父のおかげで野球に集中できた」と思い返し、支えてくれた家族に感謝する。
左太腿裏の肉離れで出遅れたが、ようやく初安打をマーク。期待の長距離砲が、大きな一歩を踏み出した。(長谷川 凡記)