阪神・佐藤輝12号はバンテリンキング弾!本拠の中日勢超え3本目「良いスイングができたと思う」
2025年5月25日(日)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神4—5中日(2025年5月24日 バンテリンD)
阪神・佐藤輝明内野手(26)が24日、中日戦(バンテリンドーム)の2回無死から右中間席中段へ、推定飛距離130メートルの12号同点ソロを放った。5日の巨人戦以来、14試合ぶりのアーチで、バンテリンドームでは今季早くも3本目。本拠とする竜戦士も含めて両リーグ最多に躍り出る一発で、通算100号まで残り4本とした。9回の追い上げも実らず、チームは4—5で惜敗。試合が降雨中止の2位・DeNAに0・5ゲーム差まで肉薄された。
取られたら即刻、取り返す——。それが佐藤輝の流儀だ。初回に1点を先制された直後の2回。先頭で迎えた第1打席に、4番が一振りで試合を振り出しに戻した。カウント1ボールからの2球目、高橋宏が投じた高めのフォークを砕き、確信の12号同点ソロ。右中間席中段まで届く、推定飛距離130メートルの特大弾は、対高橋宏25打席目で初ホームランだ。
「先に点を取られていたので、早めに追いつくことができて良かった。良いスイングができたと思う」
4月29日、5月1日に本塁打し、この日がバンテリンドーム3発目。中堅122メートル、両翼100メートルの広大なフィールドに加え、外野フェンスの高さが4・8メートルもある97年開業の敵地で、5月までに3本塁打するのは球団初だ。球団のシーズン最多は、金本知憲(本紙評論家)の6本。25日を含め、今季まだ7試合を残す佐藤輝が記録を更新する可能性は極めて高い。また、来季からテラス席「ホームランウイング」が設置される同ドームにとって、現行サイズはラストイヤー。「正真正銘のスタンドイン」を連発し、虎の4番として尾張で金字塔を打ち立ててこそ、何よりの“惜別”になる。
逆襲の一打も目立つ。21日巨人戦(甲子園)の4回。先制の4点を奪われた直後の攻撃で1死一塁から二塁打を放ち、大山の適時打を誘発した。6回にも、5点目を与えた裏の攻撃で2死から二塁打し、再び大山の快打を呼んだ。翌22日の伝統の一戦も流れは続く。勝ち越しを許した延長11回の最後の攻撃で、先頭打者として右前打。「(逆襲打は)いいことじゃないですか」。4番が不屈の快音を奏でるたびに、猛虎は何度でもよみがえる。
「あしたも頑張る」
勝ってこそ喜べる。本塁打数は独走でも、ペナントレースは混セを極める。勝ち越し必須の虎竜決戦。頭一つ抜け出すべく、取りこぼしだけは許されない。(八木 勇磨)
○…目下本塁打で両リーグトップの佐藤輝(神)が12号ソロ。5月5日巨人戦の11号以来、出場14試合ぶりは今季自身最長のブランクとなった。高橋宏からは初本塁打。阪神の打者が打ったのも初めてで、自身25打席目、チーム246打席目の一発。
○…バンテリンドームでは4月29日、5月1日に続く今季3本目。同球場の本塁打では、本拠地とする中日の上林、木下の2本を上回り、単独トップに立った。なお阪神選手がバンテリンドームでシーズン3本塁打は、20年大山の5本以来。05年金本知憲の6本を筆頭に延べ10人目となったが、5月までに3本打ったのは97年の球場開場以来、佐藤輝が初めて。