大の里の横綱土俵入りは旭富士、武蔵丸に次ぐ”記録”もマーク「あっという間に終わった」

2025年5月31日(土)6時45分 スポーツ報知

雲竜型の土俵入りを披露する横綱・大の里(カメラ・相川 和寛)

 大相撲の第75代横綱に昇進した大の里(24)=二所ノ関=が30日、東京・明治神宮で雲竜型の奉納土俵入りを行った。雨天のため一般参拝客が入れない社殿内で実施。日本相撲協会によると、新横綱が明治神宮で土俵入りするようになった第41代の千代ノ山以降、悪天候による社殿内の実施は初。土俵入り前の横綱推挙式で八角理事長(元横綱・北勝海)から推挙状が手渡された。名古屋場所(7月13日初日・IGアリーナ)で10人目の新横綱優勝を成し遂げ、伝達式の口上通り、唯一無二の横綱へ突き進む。

 まさしく唯一無二の横綱土俵入りだった。大の里は午後3時50分、強まった雨と風の中、社殿内に太刀持ちの元大関の小結・高安、露払いに幕内・竜電を従えた。肌寒い気温15度。落ち着いた表情で、身長192センチの大きな手足を伸ばして雲竜型を披露。力強い四股に、左手を脇腹に添え、右手を斜め前方に出してのせり上がりは迫力十分だった。「(横綱の地位が)始まったなという気持ち。本当に横綱になったのだなという実感が湧いた」と背筋を伸ばした。

 雨天のため一般公開は中止となったが、一目見ようと集まった参拝客から「大の里〜!」「日本一!」と声援を浴びた。大地を四股で踏みしめるたびに、参道から「よいしょ〜」のかけ声が上がった。新横綱が明治神宮で土俵入りするようになってから、悪天候により社殿内で実施したのは大の里が初となった。28日の伝達式後から雲竜型を指導した師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「雨は気になったが、あとは良くなることしかない。ちょうどいい始まりじゃないですか」と弟子の第一歩を前向きに捉えた。

 土俵入りの前の横綱推挙式では、八角理事長から推挙状と29日の「綱打ち」で作られた純白の横綱が手渡され、一段と表情が引き締まった。平成以降の新横綱土俵入りでは旭富士、武蔵丸に次ぐ1分22秒のスピード披露。大の里は「大きく堂々とできた。あっという間に終わった。最初の夢が叶った」と言葉に力を込めた。

 目指すは21年秋場所の照ノ富士以来、10人目の新横綱Vだ。17年春場所で成し遂げた師匠は、早くも来場所へ「あとは稽古するのみ。6月に入って部屋で体を作って良い状態で名古屋に入ってほしい」と背中を押した。大の里も「(夏場所13日目の優勝決定から)怒濤の1週間だったが、これを機に頑張りたい」と気合を入れ直した。その目には一点の曇りもなかった。(山田 豊)

 ◆雲竜型 不知火型と並ぶ横綱土俵入りの型。せり上がりの際に右手を伸ばし左手を胸の近くに当てる。綱の結び目は一輪。名前は第10代横綱・雲竜久吉に由来。伸ばした手は「攻撃」を、脇腹付近に当てた手は「守り」を意味し攻防一体を表現する。

スポーツ報知

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