大谷翔平のトレードは「チームを崩壊させる」?米記者が論じた偉才獲得の小さくないリスク「本当に最悪な事態に陥る」

2023年6月5日(月)18時0分 ココカラネクスト

二刀流でチームを牽引できる大谷。しかし、彼の計り知れないネームバリューはトレード交渉においてリスクを生み出している(C)Getty Images

 計り知れない影響力があるからこそリスクもある。今シーズン終了後のフリーエージェント(FA)が濃厚視されている大谷翔平(エンゼルス)の去就に関する話題は尽きない。

 2018年にメジャーリーグへやってきた大谷。それ以来、トミー・ジョン手術による離脱もありながら日進月歩で成長を続けてきた天才は、いまや球史に名を残すリビングスターになったと言っていい。エンゼルス入団時には誰もが「不可能だ」「どちらかに絞った方がいい」とした投打二刀流も当たり前のようにフルシーズンをこなす彼は、ライバルたちからも「二刀流としてプレーし、野球のルールも変えてきた。ルールを変えることのできる選手は偉大な選手だ」(アストロズのダスティ・ベイカー監督談)と評されるほどの存在感を放っている。

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 それだけのネームバリューを持つ大谷だからこそ、チームに加えるとなれば、大きな戦力となる。一方でトレードによる獲得の場合には買い手に小さくないリスクが伴うのも事実だ。現地6月3日にフィラデルフィアに拠点を置くスポーツ・メディア『Sports Talk Philly』のマイケル・リピンスキ記者は、地元球団のフィリーズに大谷が今夏のトレードで移籍した際に生じるリスクを論じている。

 まず、「フィリーズには打線の軸となるスラッガーと先発投手に穴がある」とするリピンスキ記者は、大谷の獲得が「ワールドシリーズへの再挑戦に向けた大きな力となる」と断言。そのうえで、大谷をトレードで獲得すべきという意見には「首を横に振るべきかもしれない」とし、そう論じる理由を説いた。

「実に難しい決断だ。しかし、心の中にいる私は『やってしまえ!』と言っているが、しかし、向こう10年は、本当に、本当に、本当に最悪な事態に陥る可能性を考えると『やめておけ』と言わざるを得ない。オオタニのトレードには、フィリーズが彼との再契約や延長交渉が間違いなくできるという強い確信がない限り、なんの意味もない。なぜならファームシステムはボロボロとなり、ほとんど見返りもない、チームが崩壊しかねないものになるからだ」

 もっぱら大谷のトレードにはトッププロスペクトの放出が不可避とされている。それだけにシーズン終了後も二刀流スターが残留するという確証がない限り、ただただ球団の育成部門から有望な若手が削られ、将来性のないチームになり得るというワケである。

 ゆえに「オオタニの獲得はリスクが大きすぎる」とするリピンスキ記者は、こうも続けている。

「野球関係者の間では、オオタニを獲得するには、最低でも3人のトッププロスペクトが必要で、そのうち1人はメジャーリーグにいつでも昇格できる可能性がある選手である必要があると見込まれている。加えて、エンゼルスの打線に生じる穴をすぐに埋められる選手もトレードに含まれる必要があるだろう。つまりクソほどの譲渡をしなければならないというわけだ」

 一部では、メッツやドジャースなど財力のある球団がトレード候補として見込まれている。はたして、大谷は現地8月1日に迎えるデッドラインデーまでに新天地へ移籍するのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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