ガスリーをアルファタウリF1に残留させたいレッドブル。ジュニアドライバーに後任の適任者なし

2022年6月6日(月)7時56分 AUTOSPORT web

 レッドブル・レーシングが、セルジオ・ペレスとの契約を2024年末まで延長したことで、現在アルファタウリで走るピエール・ガスリーは、近い将来、レッドブルに昇格する可能性がなくなり、レッドブルファミリー離脱を考えるものとみられている。ガスリーが移籍する場合、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは後任を探す必要がある。


 現在レッドブル・ジュニアチームのドライバーでF2選手権に参戦しているのは、リアム・ローソン、ユアン・ダルバラ、ユーリ・ビップス、デニス・ハウガー、岩佐歩夢の5人だ。しかしこのなかにガスリーの後任にふさわしいドライバーがいるかどうかが問題だ。3人はF2で比較的長く走りながら、目立った成績を残していない。他のふたりは今年F2に昇格したばかりで、経験不足だ。


 現在最も安定して結果を残しているのはダルバラ(プレマ・レーシング)で、現在ランキング3位。とはいえポイントリーダーのフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)からは60ポイントも差をつけられている。ふたりともF2参戦は今年3年目であることから、ダルバラが特別優れているとは評価できず、さらに彼は不必要なインシデントに巻き込まれがちだ。

2022年FIA F2第3戦イモラ レース1 2位に入賞したユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)

 今年のレッドブル・ジュニアのなかで最も期待されていたのはビップス(ハイテックGP)だったが、彼は2020年半ばから参戦しているF2で現在ランキング5位にとどまっている。イモラとバルセロナではミスを犯して、大量のポイントを逃した。ただ、ビップスはF2フル参戦2年目であり、これからよくなっていく可能性はある。
2022年F1第6戦スペインGP ユーリ・ビップス(レッドブル)

 同じくF2で2年目のローソン(カーリン)は、シーズン序盤に3連続で表彰台を獲得したが、その後は精彩を欠き、現在ランキング8位だ。
リアム・ローソン(カーリン)

 F2ルーキーのふたりは悪くないが、F1昇格を検討する前にもっと経験を積ませる必要がある。岩佐(ダムス)はこれまで2位を含む5回入賞を達成し、ランキング13位。ハウガー(プレマ・レーシング)は、4回の入賞のなかで優勝1回、2位1回を獲得し、ランキング12位だ。
2022FIA F2第4戦バルセロナ レース1表彰台に登った岩佐歩夢(ダムス)

2022年FIA F2第3戦イモラ レース1 デニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が3位に入賞

 すぐにF1に乗せられる若手がいないことから、マルコは2023年にはガスリーをなんとかアルファタウリに残した上で、岩佐かハウガーの成長を待とうと考えるかもしれない。2024年には角田裕毅はF1での4年目を迎え、チームをリードしていくだけの経験を備えているだろう。
2022年F1第7戦モナコGP 角田裕毅(アルファタウリ)

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