トヨタの進化型『GRカローラ』受注開始。日本仕様だけのスポーツパッケージを設定、568万円から

2025年2月4日(火)13時30分 AUTOSPORT web

 トヨタは2月4日、進化した『GR COROLLA(GRカローラ)』の日本導入を発表。同日より全国のトヨタ販売店で注文受付を開始し、3月3日から販売するとアナウンスした。価格は568万円(税込)から。


 今回発売が決定したモデルは、2024年8月にアメリカで発表され、当時「北米以外の地域への導入は検討中」とされていた進化型GRカローラの日本仕様だ。


 このGRカローラはスーパー耐久シリーズなどのモータースポーツで得られた知見がフィードバックされており、高速コーナーでの旋回性能をはじめ、加速性能や冷却性能などが改良されている。具体的には、前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングが内蔵されたほか、リヤアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げ、加速時のリヤの沈み込みを抑えた。これらより旋回中の車両安定性が向上している。


 加速性能の面では、搭載される1.6リッター直列3気筒ターボエンジンの中速域でのトルクが30Nm増加。最大トルクは400Nmまで高められた。このエンジンを効率的に冷却するためサブラジエーターが追加設定されたほか、フロントブレーキローターに直接風を導くブレーキダクトが設けられた。


 また、スーパー耐久や全日本ラリー選手権などで鍛えられた新開発の8速ATの“ダイレクト・オートマチック・トランスミッション(GR-DAT)”が追加設定されたこともトピックのひとつだ。プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギヤ選択を実現するGR-DATを搭載するモデルには水冷式ATFウォーマー&クーラーに加え、空冷式ATFクーラーが標準装備となっている。


 これらの装備によってよりスポーティに進化したGRカローラは、専用アプリを用いてアンチラグ制御の追加やスピードリミッター上限速度の引き上げなど、クルマのポテンシャルを引き出す機能が有効となるサービス“サーキットモード”を利用することが可能に。同サービスが利用できるのは『GRヤリス』『レクサスLBX MORIZO RR』に続き3車種目となる。

進化型GRカローラの改良ポイント
2025年2月4日より注文受付が開始された、改良型トヨタGRカローラのエクステリア(リヤ)


■スポーツパッケージは日本仕様のみ


 そんな進化型GRカローラの本邦上陸にあたり、トヨタは日本仕様車のみに採用される“SPORT Package(スポーツパッケージ)”をメーカーパッケージオプションに設定した。


 このパッケージオプションでは、シートが「GR」マーク付き専用セミバケットとなるほか、ステアリングは「GR」エンブレムとセンターマーカーが付いたウルトラスエード巻き3本スポークに。またシフトノブ(セレクター)、パーキングブレーキと各ブーツも加飾リングやステッチ付きのウルトラスエード仕上げとなる。


 さらに、メータークラスターをはじめ、シフトベゼル、ドアトリムガーニッシュ、ドアスイッチベースなどに鋳物ブラック加飾が施され、シートベルトにはELR(緊急ロック式巻き取り装置)付3点式レッドシートベルトが奢られる。

進化型GRカローラのインテリア(シート)
RZグレード(8AT/4WD)、スポーツパッケージ専用セミバケットシート(スライド&リクライニング/GRマーク付)
日本仕様車のみに採用された“SPORT Package(スポーツパッケージ)”
※メーカーパッケージオプション


■従来モデル向けアップグレードパーツを販売


 FIA GT3カーなどのカスタマーレーシングカーの一部には、モデル改良の際に従来型を新型と同様のパッケージに進化させることができるアップデートキットなどが用意されることがあるが、今回トヨタは『GRカローラ』に同様のアップグレードパーツを設定。進化型GRカローラの部品を装着することで、既存モデルのユーザーが進化の一部を体感することが可能になるという。


 アップグレードに際しトヨタはふたつのステップを提案している。最初のひとつが“クルマとの一体感のさらなる進化”を体感できる締結剛性向上ボルトセット(2点)。もうひとつは“コーナーでさらなる速さと安定性を発揮する旋回性能を実現”する旋回性能向上サスペンションセット(4点)だ。


 交換部品はボルトやスタビライザー、スプリングなど。なお2025年夏頃の登場予定となっている各パーツの価格は、現在のところ未定となっている。


 スーパーGTやスーパー耐久などで活躍する石浦宏明らプロドライバーをはじめ、トヨタの評価ドライバー、マスタ—ドライバーであるモリゾウからのフィードバックをもとに、限界領域および日常使いにおいてもずっと乗っていたくなる野性味が追求された進化型GRカローラは、“RZ”のワングレード展開で、税込価格は6速マニュアル車(6MT)が568万円、8速オートマチック(GR-DAT)搭載車は598万円だ。前述のスポーツパッケージを追加すると25万3000円高(税込)となる。


アップグレードパーツの対象部位
進化型トヨタGRカローラのインテリア(コクピット)
RZグレード(6MT/4WD)、非スポーツパッケージ
上段:サーキットモードでのシフトタイミングインジケーター
下段左から:1.6リッター3気筒ターボダイナミックフォースエンジン、追加ブレースによって剛性が高められたボディ、GR-DAT(8AT)
GRカローラ“RZ”のカラーラインアップ。手前から時計回りにスーパーホワイトII、プレシャスメタル、プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドII


■改良型トヨタGRカローラ 主要諸元





















































































寸法4410×1850×1480mm
ホイールベース2640mm
トレッドフロント:1590mm、リヤ:1620mm
乗車定員5名
車両重量8AT:1500kg、6MT:1480kg
エンジン直列3気筒インタークーラーターボ
型式G16E-GTS
ボア×ストローク87.5×89.7
総排気量1.618リットル
最高出力304PS(224kW)/6500rpm
最大トルク400Nm(40.8kgf-m)/3250〜4600rpm
WLTCモード燃費8AT:10.8km/L、6MT:12.4km/L
トランスミッションGR-DAT(8速オートマチック)、iMT (6速マニュアル)
駆動方式スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”
電子制御多板クラッチ式4WD(3モード選択式)
作動装置フロント&リヤ:トルセンLSD
サスペンションフロント:マクファーソンストラット式
リヤ:ダブルウィッシュボーン式
ブレーキフロント:ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向4ポットキャリパー)
リヤ:ベンチレーテッドディスク(18インチアルミ対向2ポットキャリパー)
ホイール BBS製8.5Jインセット30mm鍛造アルミホイール
(メタルスターチタンブラック塗装/センターオーナメント付)
タイヤフロント&リヤ:235/40R18(ヨコハマADVAN APEX V601)
燃料タンク容量50リットル


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