MotoGP:ドゥカティのロレンソ「最高のスタート」で序盤をリードするもリヤタイヤのグリップ低下で失速

2018年7月3日(火)18時37分 AUTOSPORT web

 激しいレースとなったMotoGP第8戦オランダGPのなかでも、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)が1周目からトップに立ったことは驚きのひとつだった。最終的に7位でレースを終えるが、ロレンソがスタートから取り戻した速さを見せた。


 2連勝と勢いに乗ってTTサーキット・アッセンに乗り込んだロレンソ。しかし波に乗っているとはいえ、彼がオープニングラップから先頭に立つことを予想できた者は少ないのではないだろうか。ロレンソが予選で獲得したグリッドは10番手。4列目スタートだったのだ。


 スタートでロレンソは抜群の加速を見せた。1コーナーに向かってアウト側の10番グリッドからスタートしたロレンソの前は開けており、一気に順位を上げて1コーナーに進入。このときすでに3番手につける。ロレンソは好スタートを決めることが多いが、そのなかでも抜群のスタートだった。


 さらに1周目の8コーナーで、ロレンソはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)からトップを奪う。2周目の15コーナーで再びマルケスにオーバーテイクを許すが、ロレンソが再度先頭を奪還。ロレンソは序盤にレースをリードする。


「今日のレースは強風のためにコンディションが難しくなった。荒れた展開になるとわかっていたよ。すばらしいスタートを切ることができた。ドゥカティに移籍してから、最高のスタートのひとつだった。ポジションを上げて、レースをリードできたんだ。ペースはそれほど速くなかったので、序盤はトップを走行できた」


 ただ、そこから後続を引き離すロレンソ得意の展開とはならなかった。6周目の13コーナー立ち上がりでは、2番手走行中のバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)がロレンソに急接近。ロレンソのドゥカティ デスモセディチGPの後方とロッシのヤマハYZR-M1が当たるアクシデントも起こった。


 ロレンソはこのときの状況について「バレンティーノからぶつけられたときは、すごく怖かった。高速セクションでたくさんのライダーたちが全開で追いかけていたところだったから、転ばなかったのは幸運だった。本当のところ、誰が後ろから来ていたのかわからなかった。あの瞬間、フロントのグリップを失い、交差してしまったから、転倒を回避するために、減速を強いられた」とmotogp.comのなかで語っている。


 一方、ロッシは「ロレンソは縁石に乗り上げて、かなりスピードが出ている状況でフロント(グリップ)を失った。僕はすでにアクセルを開け始めていたけれど、ふたりともクラッシュせずによかったよ」とコメントしているが、ふたりが語るように転倒することなかったのは幸いだった。


 ロレンソは14周目までトップを走り続けたが、15周目にはチームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾに先頭の座を明け渡す。さらにその後も後続にオーバーテイクされ、チェッカーを受けたときは7位。リヤタイヤのグリップが低下したのが、後半の失速の原因だという。タイヤ選択に目を向けると、ロレンソがリヤに選択したタイヤはハード。ウイナーのマルケスはリヤにソフトを選び、チームメイトで終盤には表彰台圏内を走ったドヴィツィオーゾもリヤにはハードを採用していた。


「最終的なリザルトにはそれほど満足はしていないし、ベストなペースでも走れなかった」としながらも、「中盤までは非常に戦闘力も高かった」とレースを振り返るロレンソ。見どころが多かったオランダGPでひとつのハイライトを演出した。

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