昨季の欧州リーグ観客動員は“王者”ブンデスがプレミアかわして首位に! クラブ別では…?

2023年8月5日(土)9時0分 サッカーキング

 欧州主要リーグが新シーズンの開幕を迎えようとしている今、ヨーロッパサッカー界のトレンドをチェックしておこう。今回は観客動員数にスポットライトを当てる。

 新型コロナウィルスもようやく落ち着き、すっかり欧州サッカー界にも日常が戻った。無観客のスタジアムが懐かしくなるくらい、昨シーズンはスタンドがファンで埋め尽くされたが、欧州サッカー界の観客動員数はどうだったのだろうか。データと共におさらいしていきたい。

■“王者”ブンデスリーガが返り咲き

 コロナ禍の影響もあって観客数が制限された2021−22シーズンとは違い、開幕からフル動員が許された昨シーズンは、ブンデスリーガが再びサッカー界の観客動員数でNo.1の座に返り咲いた。

 2021−22シーズンに関しては、いち早くフル動員を認めたイングランドのプレミアリーグが1試合の平均観客数「3万9950人」で1位を記録。一方、ブンデスリーガは2022年4月まで規制を続けていたため平均観客数は「2万2341人」に留まっていた。

 しかし、2022−23シーズンの数字を見ると、ブンデスリーガが1試合平均「4万2997人」でサッカー界最多を記録した。シーズンによって在籍するクラブが違うため、リーグの平均観客動員数も多少は上下するがブンデスリーガはサッカー界の観客動員数における絶対的な王者である。コロナ禍を除けば、常に最多の平均動員数をマークし続けてきた。

 彼らが王者に君臨するきっかけとなったのは2006年のワールドカップ・ドイツ大会だろう。同大会に向けてミュンヘンやフランクフルトなどで新スタジアムが建てられたほか、他のスタジアムも改修工事が行われた。それもあり、ブンデスリーガは2003−04シーズンに1試合平均「3万7395人」の観客数を記録し、プレミアリーグを抜き去って平均観客数の1位に躍り出た。以来、コロナ禍を除けば平均観客動員数の“王者”に君臨し続けている。


■“猛追”プレミアリーグはダウン必至か

 昨シーズン、プレミアリーグにとっても歴史的なシーズンだった。同リーグ史上初めて平均4万人の大台を超えて「4万267人」を記録。動員率も過去最高の「98.7%」に達した。ブンデスリーガの「4万2997人」に迫る勢いだったが、新シーズンは平均4万人を下回りそうだ。

 プレミアリーグは今夏、3万人を超えるスタジアムを抱えるリーズ、レスター、サウサンプトンが降格し、代わりにルートンやバーンリーといった比較的規模の小さいスタジアムを本拠地とするクラブが昇格してきた。特に、プレミアリーグ初昇格のルートンの本拠地ケニルワース・ロードは昨季終了時点では収容人数「1万265人」。今オフに改修工事を行ってボーンマスの「1万1307人」を何とか超え、プレミアリーグ史上最小スタジアムとはならないようだが、それでもプレミアリーグの平均を大幅に下げることは間違いなく、来シーズンもブンデスリーガの首位の座は安泰だろう。

 ちなみに2022−23シーズンのリーグ別平均観客動員数は1位ブンデスリーガ(4万2997人)、2位プレミアリーグ(4万267人)、3位セリエA(2万9508人)、4位ラ・リーガ(2万9428人)、5位リーグ・アン(2万3677人)と欧州5大リーグが上位に名を連ねた。

 ヨーロッパ内で見ると、6位はドイツ2部のブンデスリーガ2(2万2183人)、7位はイングランド2部のチャンピオンシップ(1万8868人)、そして8位がオランダ・エールディヴィジ(1万8394人)、9位はスコットランド・プレミアシップ(1万6782人)、10位スイス・スーパーリーグ(1万3172人)と続いている。

 ヨーロッパ以外では、メキシコ(2万1864人)、ブラジル(2万1522人)、アメリカ(2万1034人)といったリーグが平均2万人を超える観客を集めている。ちなみに、2022年のJ1リーグは1試合の平均観客数が「1万4331人」だった。

■“ラスト”カンプ・ノウが平均8万超え

 クラブ別で見ると、昨シーズンのリーグ戦で平均最多記録をマークしたのは、一時的とはいえ本拠地カンプ・ノウに別れを告げるバルセロナだった。

 改修工事により今夏から数年ほどカンプ・ノウを使えなくなるため、その前にひと目見ておこうと昨シーズンは平均「8万3497人」の観客が集まった。これは21世紀に入って以降で、同会場における最多記録だったという。これまでの最多記録(21世紀以降で)はペップ・グアルディオラ監督の下でリオネル・メッシがゴールを量産してラ・リーガとチャンピオンズリーグの2冠を達成した2010−11シーズンの「7万9192人」だった。それを大幅に塗り替え、21世紀に入ってから初めて平均8万人の大台に乗せ、昨シーズンのリーグ戦の平均観客数で1位の座を射止めて見せた。

 バルセロナに抜かれて久しぶりに1位の座を明け渡したのはドイツのドルトムントだ。本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクは、収容人数ではカンプ・ノウ(9万9000人)に遠く及ばない「8万1365人」だが、常に満員御礼のため昨シーズンも99.8%の動員率を誇って平均「8万1228人」を集めた。普段なら、これがリーグ戦における世界No.1なのだが、残念ながら昨季は“ラストイヤー”に沸くカンプ・ノウに1位の座を譲った。

 欧州5大リーグで3位に入ったのは、同じドイツのバイエルンで「7万5000人」。4位はマンチェスター・Uで「7万3671人」となった。5位、6位には同じスタジアムを共有しているインテル(7万2630人)とミラン(7万1880人)のミラノ勢がランクイン。平均7万人を超えたのは、この6クラブだけだった。

 7位はフランス勢として最多を誇るマルセイユで「6万2687人」。8位には昨季のUEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグを制したウェストハムがランクインした。同クラブはロンドン五輪(2012年)でメイン会場として使用されたロンドン・スタジアムを使用しており、強豪クラブを抑えてプレミアリーグで2位となる「6万2462人」を集めた。そして9位はローマ(6万2032人)、10位はトッテナム(6万1585人)というトップ10の顔ぶれになった。

 平均観客数のトップ20まで見ると、イングランド勢が7チーム、ドイツ勢が6チーム、スペイン勢が3チーム、イタリア勢が3チーム、そしてフランス勢が1チームという構図になっている。ドイツ勢は、最も観客動員数が少なかったウニオン・ベルリンでも平均「2万1822人」を記録。これは昨シーズンの欧州5大リーグの全98クラブで63位だった。

 このように全クラブが毎試合のように2万人以上の観客を集めるブンデスリーガは、今後も平均観客動員数で1位の座を守り続けるのだろう。

(記事/Footmedia)

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