アウディ、将来のGT3戦略は「保守的」。2022年の次期ホモロゲもV10『R8』継続を予定

2019年8月16日(金)12時39分 AUTOSPORT web

 ブランパンGTシリーズをはじめ、ニュルブルクリンク24時間レースやスパ24時間レースなど、世界各地で行われているFIA-GT3カテゴリーにおいて数々の成功を収めているアウディは、2022年に予定されている次世代GT3レギュレーションに向けて、「非常に保守的」なアプローチを採用。V10搭載のR8ベースを維持する予定だ。


 ドイツのマニュファクチャラーは2019年、第2世代となったアウディR8 LMSのEvoキットを導入したが、2022年に刷新が予定されている次のGT3レギュレーションに向けて、R8モデルを維持することが確実視されている。


 しかし、現行のV10自然吸気エンジンを搭載するアウディR8は、次期ホモロゲーション期間の間に市販車の生産終了が見込まれており、そのパワートレインがハイブリッドやフルEVパッケージに置き換えられる可能性も予想される。


 この点を踏まえたSportscar365の質問に対し、アウディスポーツ・カスタマーレーシングを率いるクリス・ラインケは「スポーツカーレースにおけるR8へのコミットメントを再確認している」とし、当面はR8以外の別のモデルに移行する必要はないと述べた。


「現在のところ我々は非常に堅実なGT3カーを持っているので、新しいクルマをまっさらな状態からセットアップする必要はない考えている。なぜなら、それは世界中で非常に安定した成功の物語を手にしているためだ」


「そのような考えから、私たちはとても保守的なアプローチを採ることにした。成功を収めているなかでなぜ大きな変更について話し合う必要があるのだろうか」

中央に並んだアウディR8 LMS GT2とGT3カーのR8 LMS


 また、ラインケはロードカーが生産終了となった場合でも、2022〜24年に予定されているホモロゲーションサイクルを通じてR8 LMSでレースプログラムを継続することができると示唆した。


「我々は新しいR8 LMSをリリースしたばかりだ。このモデルは少なくとも2023年まで走らせることができる」


「レーシングカーの基盤を揺るがす影響について話す場合、まずは次期ホモロゲーションの終了期日の話をしなければならない。それは2025年だ」


「また、アウディはR8ロードカーの生産を延長するかもしれない。そのため、いずれにしても次の公認期間への問題は発生しない」


「2025年のスポーツカー市場の行方を占うとすれば、その核心にあるのは(パワートレインの)コンセプトだ。フル電動かハイブリッドか、現時点で我々には判断できない。しかし、今すぐにそれを決定する必要はないんだ」


「同じように私たちは2025年から使用する、まったく新しいパワートレインを考えていかなければならない。その点からも2022年に向けたGT3モデルについては保守的なものになると考えているんだ」


 2025年の次期GT3レギュレーションに関する議論はまだ正式には始まっていないと理解されており、現在は2022年にスタートする次のサイクルを確定させることに焦点が当てられている。このサイクルでは車両設計に根本的な変更はないものの、エアロダイナミクスの開発費やその他のコスト削減策が採用される見込みだ。


 ラインケの話からも、アウディがR8ベースのGT3カーを継続する考えであることが分かるが、ドイツのライバルメーカーであるBMWは、2022年にデビューする次世代GT3カーのベースモデルをM6からM4に変更すると予想されている。

2019ニュルブルクリンク24時間レースで優勝したアウディスポーツ・チーム・フェニックスの4号車アウディR8 LMS


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