マイク・ディーン氏、物議を醸した“VAR非介入”に関し衝撃の告白「情けないことだった」

2023年8月26日(土)17時42分 サッカーキング

過去の“VAR非介入”を振り返ったマイク・ディーン氏 [写真]=Getty Images

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 プレミアリーグで長くレフェリーとして活躍し、昨シーズンはVARを担当したマイク・ディーン氏が、自身の過去の判定について振り返った。25日、『BBC』や『テレグラフ』など複数のイギリスメディアがコメントを伝えている。

 1968年7月2日生まれで現在55歳のディーン氏は、1985年に審判員としてのキャリアをスタートさせ、1995年からフットボールリーグ(EFL)の副審、1997年からは主審を担当。2000年からはプレミアリーグで笛を吹き、通算560試合を担当した。FAカップ決勝やリーグカップ決勝などの大舞台を任された反面、物議を醸したジャッジも多く、プレミアリーグ屈指の“名物審判”として知られている。2021−22シーズン終了後にはマッチレフェリーを引退し、昨シーズンはVAR専任となっていた。

 そんなディーン氏が、昨シーズンに担当した試合中の事象について、意図的にVARの介入を行わなかったことを明かした。問題となっているのは、昨年8月14日に行われた2022−23シーズンのプレミアリーグ第2節チェルシーvsトッテナム(2−2)の一戦。この試合の終了間際、トッテナムのアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロが敵陣ボックス内にて、チェルシーのスペイン代表DFマルク・ククレジャの髪の毛を強く引っ張るという事象が発生。しかし、主審を務めていたアンソニー・テイラー氏は笛を吹かず、VARによる介入もなかったため、当該の事象はノーファウルとなった。

 テイラー主審にオンフィールド・レビューを促さなかったディーン氏は、ポッドキャスト『Up Front』に出演した際にこの判定について言及。「チェルシーとトッテナムの一戦で、愚かな髪の毛の引っ張りを見逃したことは、私からすれば情けないことだった」とコメントした上で、“VAR非介入”という判断を至った経緯を次のように明かした。

「もし、私にもう一度時間があるとするならば何をするだろうか? アンソニー(・テイラー主審)をスクリーンに送り込むだろう。彼をスクリーンに送り込めばどうなるのかは分かっていたと思う。彼は両監督に警告を与えていたし、非常に厳しい試合だった。試合後に私はアンソニーにこう言ったよ。『試合中に何かが発生した後、君をスクリーンに送り出したくなかっただけだ』とね。私は彼をそこに送り出したくなかった。なぜなら、彼はレフェリーであるだけでなく、仲間でもある。彼をこれ以上悲しませたくないと思い、チェックを促さなかったのだと思う」

 ディーン氏は当時の自身の判断について「あれは大きなミスだった」と認めており、「当時の私は土曜日が怖くなっていた。何も起こらないようにと、椅子に座りながら怯えていたよ」とも語っている。なお、同氏は先月にイングランドのプロ審判協会(PGMOL)からの脱退が発表された。

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