FW岩渕真奈、引退の理由は“理想の選手像”「W杯に出場していてもそれが最後だったと思う」

2023年9月8日(金)15時32分 サッカーキング

引退記者会見を実施した岩渕真奈

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 8日、現役引退を表明した日本女子代表(なでしこジャパン)FW岩渕真奈が引退記者会見に臨んだ。

 1993年3月11日生まれの岩渕は現在30歳。日テレ・東京ヴェルディベレーザ(旧:日テレ・ベレーザ)の育成組織出身で、トップチーム昇格を果たした2008年にはリーグ新人賞を獲得した。その後はホッフェンハイム、バイエルン、INAC神戸レオネッサ、アストン・ヴィラ、アーセナル、トッテナムと国内外の名門に在籍。また2010年2月にデビューしたなでしこジャパンでは、3度のFIFA女子ワールドカップ、2度のオリンピックを含む国際Aマッチ通算89試合に出場し36得点を記録している。

 まず、岩渕は「引退表明後から『ありがとう』と言ってもらえることが多く、(公式Xで)“サッカー人生幸せで大好き”ということを書きましたが、この1週間でその思いがもっと強くなりましたし、本当に色々な人が応援していてくれたことを実感しました。本当に、ありがとうございました」と告白。続けて「この先もサッカーを続けていたら、自分がやりたいようなプレーができなかったと思います。そう考えたときに、今がベストのタイミングと判断しました。寂しくないわけではないけど、後悔はありません」と心境を明かした。

 また岩渕は、引退理由にも言及。先月に行われたFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023に臨んだなでしこジャパンからの落選は“関係ない”と強調した同選手は「アーセナルで迎えた昨シーズンは足首の手術から始まり、自分のベストなサッカーができずに、試合にも出場できない日々が続きました。W杯を目指してトッテナムに移籍しましたが、今まで通りのサッカーができなくなっている感覚。楽しいよりも、プレッシャーや苦しいという気持ちが上回っていました。そこから少しずつ考えるようになり、最後は残念な形(W杯落選)になりましたが、正直に言えば、W杯に出場していてもそれが最後だったと思います」としつつ、「これまで、自分は上を目指してやりたいという思いでやってきましたが、そこが見えなくなってきていました。昨日まで声をかけてくれたチームもありましたが、自分が考えるプロサッカー選手の在り方として、それに反したくないというのが決断の背景」と語っている。

 最後に岩渕は、今後について「サッカーを口で伝えるのは苦手で、指導者になれる自信はありません。それでも、女子サッカーの成長・発展のために貢献したく、若い子供達に向けて何かできる機会を増やしていきたいと思います。また、現状は大きな街に強いクラブが多いですが、発展・成長という観点を踏まえれば、いろいろな所にクラブがあるのがベスト。実際に、始めるにもどう始めたらいいかわからないという声も聞こえるので、『HER TEAM(※)」というプロジェクトを通して取り組んでいきたい」と決意。さらに「女子のU−12の全国大会が開かれていないことに関しては、自分が声を上げていきます。私自身も目標があったことで頑張れたので、小学生の女の子にも多くの選択肢を与えてあげたいです」と述べている。

 引退記者会見終了後には、サプライズ登場した澤穂希氏から「サッカー選手の『岩渕真奈』は引退しますが、これから人生はすごく長いので、また“ぶっちー(愛称)”がサッカー界含めてさまざまな場所で活躍し、輝き続けるのを楽しみにしてます」とエールを送られている。

※『HER TEAM』とは、アディダスによる女子中学サッカーが置かれている現状を改善するためのプロジェクト

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