前田智徳氏 引退きっかけの左手首骨折 死球で痛い思いしながら「これでもう許してもらえる!」
2025年5月6日(火)17時35分 スポーツニッポン
BS10の野球トークバラエティー「ダグアウト!!!」(月曜後10・00)が5日に放送され、元広島外野手の前田智徳氏(53)と元中日投手の川上憲伸氏(49)がゲスト出演。それぞれが自身の現役引退について語った。
新コーナー「スクープダグアウト」で、番組が2人に提示したのは10の質問。これまでに答えた覚えがない質問に答えればそれが即スクープということで、そろって選んだのが「引退を決めたきっかけは?」だった。
数々の大けがに見舞われながらNPB通算2119安打を放ち、孤高の天才打者と呼ばれた前田氏。実は、現役生活の晩年は毎年「引退させてください」と何度も球団に申し入れていたという。
「ケガばっかり多くて、もうプロレベルにないって思って、それがストレスで。ほんとに毎年“今年限りで…”って言ってたんですよ。そこから延びて延びて延びて延びて。最後、これで」。2013年4月23日のヤクルト戦(神宮)で死球を受け、左手首を骨折したことでようやく引退を受け入れてもらったと明かした。
「これでもういける!と思って」と痛い思いをしたにも関わらず、やっと引退できると思ったと回想して笑顔の前田氏。「これでもう許してもらえる!」と振り返った。
すでに4、5年間は毎年引退を申し入れていた当時。「最初の代打になった時は2年間ひどかったんですよ。全く戦力にならずに。枠を食いつぶしているだけの存在だったから。もうストレスで。居場所がなくてイヤだったんですよ」。
辞める!いや、辞めさせない!で毎年現役続行。天才打者だからこそ「プロレベルにない」と悩み、何度も引退を申し入れたが、他球団の現役選手ですらファンも多かったカリスマ。なかなか許されなかった。
「残りの2年ぐらいは代打のコツみたいなものが分かってきた。やるって決めたなら全力でまた…。1打席でどうやったら…。結果出さないといけない。(最後の)2年間は良かったんですけど。(死球で骨折して)これで楽になれると思ったんですよ」
それでも、この時も「3回言ってやっと許してもらったんです」と前田氏。「手術して2回言って。3回目に“しょうがないな”と言っていただいた」とようやくオーナーから引退許可をもらったという。
「引退試合は僕もいいですって言いたかったけど、10月3日。2週間ぐらい前です、(引退の)許可をもらったのは。9月の終わりぐらいにお許しが出て。10月3日、長男の誕生日だったんです。この日しかない、と」と引退試合に臨んだ。前田氏にとっては待ちに待った現役引退決定。「楽になった。解放された」が本音だった。