予選で悔しさ残る3台。Q2で急転のダンロップ2台、トラブルでアタックできなかった36号車au【第6戦GT500予選】

2022年9月17日(土)22時35分 AUTOSPORT web

 スーパーGT第6戦SUGO、GT500の予選Q1でワン・ツーの上位を奪った16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、そして64号車Modulo NSX-GTのダンロップ装着の2台だったが、Q2では走行した8台のなかでまさかの7番手(16号車)、8番手(64号車)と真逆の展開となってしまった。予選Q1でアタックできずにノータイムとなってしまった36号車au TOM’S GRスープラを含め、3チームのドライバーたちに聞いた。


●16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、予選Q1でコースレコード更新から、不可解な7番手


 予選Q1でSUGOのGT500のレコードタイムを更新する1分9秒660のタイムをマークした16号車の大湯都史樹。当然、Q2でもトップ争いに絡むとみられていたが、まさかの7番手、1分10秒335のタイムに終わってしまった。Q2を担当した笹原右京に聞く。


「何のミスもなく、普通にアタックしたら前後ともまったくグリップ感が得られなくて、一体何が起きたのかを今、調べてもらっています。Q1とタイヤは同じですので、本当に何が起きたのか。特にクルマが曲がりづらくなってしまいました」


「朝のフリー走行からもクルマは違う感じになっていて、どうしてコントロールが難しくなったのか。当初の予定どおりのウォームアップの周回数でアタックに入ったのですが、最初のセクターからまったくグリップ感が出ませんでした。ホント、何なのでしょうね」と、首を傾げる笹原。


 原因はわかってはいないが、予選日の午フリー走行で笹原が走ったときのベストタイムが1分12秒366で、午後の予選ではQ1のトップタイムが1分9秒6と、2秒7も急激にコンディションが改善して、タイムアップしている状況だった。その大きなコンディションの変化が今回の予選での難しさの一因になったのは間違いなさそうだ。

予選Q1でコースレーコードをマークした16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTだったが、Q2では7番手に


●64号車Modulo NSX-GT、感触がよかっただけに悔やまれるスピンと19号車へのマナー違反


 一方、同じダンロップ勢でQ1で2番手の64号車は、Q2を伊沢拓也が担当。その伊沢はアタックの際、SPで飛び出してしまったのが大きかった。


「僕のアタックは単純にSPで内側の縁石に触ってしまって、クルマが跳ねて飛び出してしまいました。自分のミスです。その飛び出しがなければ1分9秒台(2番手相当)に入れたか入れないかくらいのイメージではありました」と伊沢。


「クルマの手応えは、フリー走行の時からのタイム差が大きすぎて(3秒近くアップ)、正直、よくわかっていなくて、判断が難しい状況でした。そういう意味では、その状況でうまくまとめられずにミスをしてしまいました」


 伊沢がSPで飛び出してコースに復帰した際、アタック中の19号車WedsSport ADVAN GRスープラの進路を塞ぐ形になり、伊沢はセッションが終わってすぐに19号車に謝罪に向かった。


「僕の状況判断ミスです。ペナルティを受けることにもなりましたし(走行マナー違反で訓戒)、19号車を前に行かせるべきでした。自分がミスして次の周にもう一度ギリギリアタックできるかなという思いがあったのと、他のドライバーの迷惑になってしまうかもしれないというのを天秤にかけるなら、他のドライバーに迷惑を掛けない行動をするべきでした。状況的に、自分が焦ってしまったのは間違いありません」


 それでも、19号車がポールを獲得できたのは、伊沢にとって救いとなった。


「19号車があのラップがベストラップでポールを獲ってくれてよかったです。それで順位が下がってしまっていたら、本当に申し訳なかった。ある意味、19号車のポール獲得に助けられました」


 ミスで8番手となってしまったが、決勝に向けてはそれなりの手応えを感じている。


「 ここ最近、自分たちのセットアップがうまくいっていない状況があったので、そういう意味では今回は結構、いろいろ考えてきたものがちゃんと形になって、スピードも出てきた。そういう意味では今回はポジティブな要素はたくさんあります」

予選Q2終了直後、すぐに19号車に謝罪に向かった伊沢拓也


●優勝候補の一角の36号車au TOM’S GRスープラ、まさかのトラブル発生


 同じく今回の予選で悔しい思いをした1台が、36号車のau TOM’S GRスープラだ。予選Q1のアウトラップでトラブルが発生してしまった。ステアリングを握っていた坪井翔が振り返る。


「コースインして、ハイポイントくらいで何かおかしいなと感じて、バックストレートで全開にしたら全然パワーが出なかったので、すぐにピットに戻りました。そこで何か対策できるかなと思ったのですけど、原因がわからなかったので、一度(システムを)全部シャットダウンしてもう一度出て行ったのですけど、直りませんでした」


 トムスの36号車担当、吉武聡エンジニアが、トラブルの状況を話す。


「ピットに入って外観上のチェックはしたのですけど原因が見つからなくて、電源のオン/オフとかできる範囲でやってコースに出て行ったのですけど、改善せずに終了することになりました。エンジン本体は大丈夫で、おそらくタービンまわりのセンサー系が壊れたのだと思いますので、交換して直れば決勝は問題ないと思います」


 決勝は無事に走れそうなのは不幸中の幸いだが、最後尾からの苦しいレースになってしまった。坪井が話す。


「今日は午前中の走行でも専有走行のときまでトップタイムで、メチャクチャクルマの手応えはよかったですので、Q1を通れるだけのスピードはあった。今回は獲らないといけないレースだったので、非常に厳しい展開になってしまいました」


 ランキング中位以下のチームにとっては、今回の第6戦SUGOで大量得点が獲得できないと、今季のチャンピオン争いから離脱することになってしまう。SUGOは荒れる展開が多いだけに、後方からのスタートでもチャンスは少なくないはずだ。

予選Q1のアウトラップでトラブルが発生してピットに戻ることになった36号車au TOM’S GRスープラ

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