両レース僅差の決着。ASPメルセデス6勝目、スプリント王者もBMWで初勝利/GTWCヨーロッパ第8戦
2023年9月19日(火)18時38分 AUTOSPORT web
ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)第8戦が、9月17〜18日にスペインのバレンシア・サーキットで開催された。スプリント・カップの第4ラウンドとなった同イベントでは、土曜のレース1でアコーディスASPの88号車メルセデスAMG GT3エボ(ラファエル・マルチェッロ/ティムール・ボグスラフスキー組)が優勝。翌日のレース2はチームWRTの32号車BMW M4 GT3(シャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール組)がレースウイナーとなっている。
全10戦で構成される2023年シーズンも、すでに終盤戦に入っているGTWCヨーロッパ。前回イベントのホッケンハイムでドイツでの連戦を終えた各チームは、今度はバレンシア、バルセロナのスペイン2連戦へと入っていく。
その第1ラウンドとなったバレンシアのレース1では、フリープラクティスでトップタイムを刻み、予選では惜しくも0.064秒差でポールを逃すもフロントロウの2番手につけた88号車メルセデスが逆転勝利。
このフランスのチームは、デニス・マーシャルのドライブでスタートからレース前半戦をリードしたポールシッター、“プロンズカップ”エントリーの66号車アウディR8 LMSエボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)をピットタイミングでかわすと、後半戦はマルチェッロから交代したボグスラフスキーが、予選3番手から順位を上げたアルバート・コスタ駆る69号車フェラーリ296 GT3(エミル・フレイ・レーシング)の追撃を振り切り、0.380秒差でトップチェッカーを受けた。
40号車アウディR8 LMSエボII(トレゾア・オレンジ1)が3位表彰台を獲得し、コムトゥユー・レーシングの11号車アウディR8 LMSエボIIが4位、チームWRTの32号車BMWが5位に入っている。
明けた日曜は、ダンプ路面となった予選で最速タイムをマークした26号車アウディR8 LMSエボII(サンテロック・ジュニアチーム)を、レース1で僅差の2位となった69号車フェラーリが追いかける展開に。
そのレース2のオープニングラップでは、5番手グリッドからスタートした119号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(VSR)など複数台が絡むアクシデントがあり、早々にセーフティカー(SC)が導入される。さらに、3番手スタートの46号車BMW M4 GT3(チームWRT)がスロー走行後にリタイアする波乱の序盤戦となった。
■総合4番手走行の根本組ランボルギーニは無念のリタイア
リスタート後は根本悠生と163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(VSR)をシェアするマキシミニアン・ポールが40号車アウディにかわされ5番手に順位を下げた直後、電気系トラブルによりマシンを止めてしまう。同車はレース1で総合20位/シルバーカップ3位表彰台を獲得し、このレース2ではさらなる好結果が期待できただけに痛いリタイアとなった。
26号車アウディと69号車フェラーリの接近戦が続くなか、レースは中盤に突入。するとピットウインドウが開く直前にふたたびSCが入り、ドラマを生むことに。
ウインドウが開くと同時にピットに飛び込んだ32号車BMWは、対照的にSCが退いた後にピット作業を行った69号車と26号車を逆転し、5番手から一躍首位に浮上した。同じく早めのピットインを選択した40号車が4番手から2番手に。エミル・フレイのフェラーリは辛くも表彰台圏内に留まったが、ポールシッターの26号車は6番手に後退してしまう。
その後、レース後半戦はBMWをドライブするウィーツに対し、アウディのフェラーが1秒以内に迫る接近戦が展開される。膠着状態のまま迎えた終盤。レース残り7分でフルコースイエロー、次いで三度のSCが入る残り4分強で3度目のリスタートが切られる。
各車のギャップがリセットされ超スプリントレースの様相を呈したが、スプリント王者ウィーツは落ち着いた走りで順位を守りトップフィニッシュ。0.820秒遅れて40号車アウディが2位、トップと1.7秒差の3位に69号車フェラーリが入った。エミル・フレイの姉妹車14号車が5位、2台の新型フェラーリの間にはシルバーカップを制した99号車アウディR8 LMSエボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)が入っている。