肋骨も折れていた…ワールドシリーズMVPに輝いたド軍フリーマンの壮絶真実「歩くのも痛く、呼吸するのも苦しい」
2024年11月1日(金)16時0分 ココカラネクスト

足首の故障だけでなく肋骨を骨折していたフリーマン。(C)Getty Images
殊勲者となった男は文字通り満身創痍だった。
現地時間10月30日にワールドシリーズ第5戦がニューヨークのヤンキースタジアムで行われ、ドジャースが7-6でヤンキースに逆転勝利。最大5点差をひっくり返し、4年ぶり8度目の“世界一”に輝いた。その中で異彩を放ったのは、フレディ・フリーマンだ。
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第1戦に放ったワールドシリーズ史上初となる逆転満塁本塁打を含む4戦連発、さらに同シリーズタイ記録となる12打点をマークし、文句なしのMVPに輝いた。しかし、シーズン終盤の9月末に右足首をねん挫をしていた35歳のベテランは、実はポストシーズン中に肋骨骨折の重傷も負っていた事実が明らかになった。
米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者のリポートによれば、フリーマンは10月4日の打撃練習中に違和感を覚えたという。そして13スイングをした直後に立っていられないほどの激痛に苛まれた。
床に倒れこんだフリーマンは、そのままMRI検査を受診。診断結果は「第6ろっ骨ろく軟骨の骨折」。通常あれば、数か月の離脱は避けられない重傷。パッサン記者はこの時の状況について「歩くのも痛く、呼吸するのも苦しい。バットを振るのはもちろん不可能なことだと思えた」と振り返っている。
当然周囲は出場継続に反対した。深刻な状況を知った父親のフレッド氏は「フレディ、これはやる価値がない。君が野球を愛していることは知っている。私も野球が好きだ。でも、いま経験していることはやる価値がない」と諭した。
猛然と反対する父親にも「パパ、僕は絶対にやめないよ」と話したというフリーマン。肋骨骨折に加え、足首の痛みも治まらない状況は続いたが、痛み止め注射などの懸命な処置もあって徐々に感覚が冴え、「今シーズンで最高の状態になった」という。
無論、チームメイトもフリーマンのプレーには驚きを隠さない。ムーキー・ベッツは、MLBの公式ネット局『MLB Network』の番組内で「本当にクレイジーなことだった。だって野球のことよりも、とにかくリハビリ優先というありえない状況だったからね」と振り返っている。
「ワールドシリーズの前にフレディは『調子が良くなってきたぞ。かなり気分がいい』と言ったんだ。普段の彼はそんなこと絶対に言わないんだ。だからこれは何かやってくれる。別人になるなと思ったんだ。とにかくクレイジーなパフォーマンスだった」
ベッツの言葉にあるようにプレーはおろか立っているだけでもありえない状況。その中でもMVPに輝いたフリーマンの桁外れの胆力は凄まじいものがあった。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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